ゆくトリくるトリ
自分の姿にうっとりするイト子さん 大晦日かぁ。来年は酉(トリ)年ではないか。 『日本昔話』で、十二支は年初めに神様へ挨拶に行った動物の順番だとの話があった。確か、のろまな牛は前夜から出発したが、こっそり背中に乗っていた鼠に、最後に先を越されて一番乗りを逃し、以下、虎・兎・龍・蛇・馬・羊・猿・鶏・犬・猪(豚)と続いたとか何とか、だったはず。従って、酉年の酉は鶏のことだ。 ニワトリも鳥には相違ないが、これをカタカナでチキンとバードと書き分けると、かなり印象が変わってくる。それはそうだ。バードは小鳥のイメージが濃厚なので、神様のもとにもひとっ飛びして、より早く到着したに相違ない。「勝負にならんな四足どもめ!」・・・だがまてよ、蛇には足が無いな。それに龍?飛べるじゃん!・・・つまり、十二支の漢字(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)を動物に置き換えたのは、覚えやすくするためのテキトーな話と言えよう。 ニワトリも文鳥などの小鳥も含めたトリ=鳥類は、英語ならavianになるかと思う。鳥インフルエンザも「avian influenza」が英名になっていたはず。しかし、実際の被害を受けるのは養鶏場のニワトリたちがほとんどで、野鳥には対処のしようがなく、動物園や家庭のペットが感染発症すれば治療するのみなので、鶏インフルエンザでも良さそうに思う。ついでに、トリ肉は普通は鶏肉だし、三歩歩いて忘れるトリ頭のトリも鶏である。焼き鳥は「鳥」と書くが、普通は鶏肉・・・。トリの中でもニワトリは、色々な意味で別格と言えるが、「鶏」を「トリ」と読んでしまうから、日本語は難しい。 などと、トリとめのない話で今年を締めてしまう。よいお年を。