見た目はダークでない
不思議なモモ子だかモモ太だか 全体的に薄くなったような体色の桜文鳥を、「ダークシルバー」と呼んでいるのか・・・。 で、少し調べた。本来、「ダークシルバー」は、普通のシルバーよりも濃い色(dark)の文鳥のことを表現するものでなければならない。しかし、私の知らない世界では、ノーマルが薄まったもののことを「ダークシルバー」と呼ぶことがあるらしく、その原因を伴性遺伝のパステル因子によるものとして、「パステルノーマル」が正しい表現とされているらしい・・・。 pastel(淡くやわらかい色彩)化したノーマルは確かに正しいが、一般的に「パステル」と聞いて正しくイメージできるか疑問なので、むしろ「ライトノーマル」と呼ぶべきでは?と私がそうした世界の人なら異議を申し立てて、勝手にそう呼ぶことにしてしまうかと思う。実際は部外者なので深入りしたくないのだが、次のような理屈は理解できる。 伴性遺伝と言うのは、何らかの遺伝形質が性染色体上に存在する遺伝形式のことで、例えば人間だと、女性の性染色体はXXなのに対し、男性の遺伝子はXY、Y染色体に何らかの遺伝形質があれば、Yを引き継ぐ男系の子孫にのみ、遺伝形質が現れることになる(天皇家の男系男子の継承を主張する際に、知ったかぶり科学でこれを持ち出す人もいる)。これが鳥類の場合では、オスがZ染色体が対になるホモ型ZZ、メスはヘテロ型ZWなので、W染色体上に伴性遺伝因子があれば、メスのみが引き継ぐことになる。 もしデッカの母親が「ライトノーマル」であっても、異性のデッカはそのW染色体を引き継がないので、隔世遺伝は有り得ない。つまり、文鳥の「パステル因子」なるものは、さらに話が複雑なパターンで、パステルの遺伝形質はZ染色体上にあって劣性と見なすことになるのだと思う。【パステル因子を伴性するZ】と対になるYに対立因子がなければ、メスでは形質が現れる。一方、相手が【通常のZ】の持ち主なら、ZZの内容は【通常のZ】【パステル因子を伴性するZ】の組み合わせなので、優性な【通常のZ】の形質が発現し劣性のパステル因子は隠れることになる。つまり、オスの場合は、パステル因子を持っていても、色が薄くならないことが多くなる。だが、もし両親ともに【パステル因子を伴性するZ】を持っていれば、劣性因子が対になりオスの「ライトノーマル」が誕生する・・・の?(・・・答えないでください。高校の生物の点数が良かったから威張っている程度では、これ以上の理解はできません) ただ、画面では黄色みがかって見えるかもしれないが、実際の「モモ」の羽色は純粋のシルバーよりさらに白に近く(いわゆる「ライトシルバー」)、「ライトノーマル」とは表現し難いような気がする。 父親のデッカは静岡県産とされていたヒナで、一方母親のセツは愛知県産とされ、成鳥の姿で、我が家に(宅配便で)やって来た。この時、ベルギー産のシルバー文鳥ペアが同梱されていたのが、それは何か月も前のことなので関係ない。 実際に「ライトノーマル」に育つヒナの姿を見たことが無いので比較できないが、デッカと一緒にやってきたヒナたち、桜文鳥だけで6羽いたが、羽色が薄い個体はいなかったので、そういった因子を持つ滅灯ではない可能性が高いのではないかと思う。静岡県と言うからには、おそらく浜松周辺で大規模繁殖されて出荷された「手乗りヒナ」の可能性が高く、いろいろな色彩の遺伝子を交雑させる環境ではないはずなのである。 不可解。ともあれ、「ダークシルバー」の表現は、見た目と違って普通の感覚では混乱を招きそうなので、桜文鳥ペアから生まれたシルバー文鳥に見えるイレギュラーでレアな子(羽色が成長に伴い変化する可能性あり)、として扱っておこうと思う。 今日は、モモ25g、クロ23g、ともに体格が良くなっていくのではないかと思う。