私的選挙行動の総括
今回の総選挙ほど投票先に迷ったことはない。 小選挙区は簡単だった。区割り変更で埼玉2区から3区になったが、最寄りの新井宿駅に朝あいさつにやってくる自民党と立憲民主党の候補者から選べばよかったのだ。どちらもしっかりした人に見えたし、経歴も奇妙なところはなくむしろ立派なものであった。しかし、大変残念なことに、立憲民主党は私の中では存在しない政党なので・・・。なぜ?って、あの政党は民主党が無能をさらけ出して崩壊し消えていこうとする際に、東京都知事の小池百合子さんが余計な手出しをして「仕分け」しようとした結果、仕分けられた方が「弱い者いじめをされてかわいそう」というイメージを帯び、枝野幸男さんがその「弱い者」をかき集めて出来上がった政党なのである。本来ないものだが存在するので、現状追認としてはそれはそれで構わないのだが、個人の投票活動においては、「無いはずのものがなぜかまだあるので、見なかったことにする」ことにしている。(当然ながら、以下もすべて個人の感想です。念のため)。 問題は比例だ。「国賊」までいる「だらし内閣」など早く消し去りたい。そのためには自民党とは書けない。こうした場合、世の中のこっちがだめならあっち、といった二大政党が存在する幻想を持っている人なら立憲民主党一択かもしれないが、困ったことに、前述のように私の中にその政党は存在しないので、無い政党名は書けない。公明党に入れるには信心が必要だがそれもない。維新は大阪近辺の地域政党に過ぎず、ここは関東地方なので関係ない。国民民主党の玉木さんや榛葉さんは思っている以上にまともな言動をしているので、これはありだと思ったが、比例名簿の人数が少なく登載された人々に魅力を感じない。共産党は過去の遺物で眼中にない。その他の小政党は、あくまで個人の投票先としては物の数ではない。深くため息をして、何も書かないでおこうか、と思い、それでは無効票とされるだけで批判票にもならないと思い返し、同じ保守的方向性でも、ご主張にあまり同意できない保守党を選んだ。私の本質は保守というより現実主義で、明治期に何のノスタルジーも感じず、保守ロマン派と呼ぶべき人たちとはズレているのだが、今後の展開を考えたのである。 自民党が大敗して石破内閣が瓦解した際に(私の脳内では確定事項)、高市早苗さんが、二階さんの三男さんをつぶして代議士になるはずの世耕さんや「コバホーク」の小林さんなどと結束して上手にふるまえれば、総理大臣になってくれるかもしれない。その暁には、あの人は何がどうしようと靖国神社に参拝するはずで、そうなれば、敗戦国でもないのに被害者の一面ばかり強調したがる隣邦が騒ぐに相違ない。その際、よりはっきりした右派が国会に議席を持っていた方が心強いはずだ。 それで選挙結果だが、あまりにも当たり前、つまり私的な結果だった。 安倍政権の際、現実に必要な対応をしている選挙で国民の負託を受けたその民主主義政権に対し、左派を気取って政権を全体主義かのように言い募り邪魔をしていた人たち(そのような独裁が現実なら、あなたたちなそいない、のだが、それにすら気づかない)、そうした人たちから「自民党の他のよりマシ」とちやほやされ、岩盤支持層と呼ばれた人たちから白眼視されているのに気づかない石破さんが、長く政権を保つことなどできるはずもなかった。あくまでもアンチテーゼでしかない存在が、主流派を推すより多い有権者にどのように映っているか考えようともしない独り善がりは、早期解散と言う自殺行為を実行させ、木っ端みじんとなったに過ぎない。初めから嫌われている奴が、かってな勘違いで裸踊りを始めれば、誰だって嫌気がさすだろう。 政治家の金集めが自民党に対する不信を招いた?それも多少はあるだろうが、それなら、なぜその裏金問題を暴いたと手柄顔だった共産党が議席を失うのだろうか?10人が8人、つまり2割減だ。約四分の一がお討ち死に大負けに負けた自民党や公明党には及ばないが、誤差では済まない完全な負け組ではないか。 それに、比例の獲得票数を見れば、立憲民主党は前回1149万票が1156万票で、ほとんど変わっていない(記事)。つまり、立憲民主党が政権党として支持されたわけではなく、各選挙区の自民党候補に負のイメージが強く、小選挙区では対立候補に票が流れたのは、一目瞭然ではないか。 不支持層から人気があったらしい(何の意味があるの?)総理総裁が、支持層から大いに支持された故人を否定する行動をとれば、結果など見えている。強固な支持層にそっぽを向かれ、あとは、二大政党制で政権選択ができる幻想を抱いている有権者が、現政権の反対党に入れただけかと思う。うわべをはがせば、複雑でも何でもない。 これだけ負けて、仲間の四分の一を自惚れた自分の判断ミスで失いながら、総理大臣であり続ける?それどころか幹事長まで辞めない?こうした呆れかえるほどの無自覚無責任の輩に政権を預けてしまった、岸田前総理大臣と菅副総裁には、是非キングメーカーらしい身の処し方をお願いしたい。