モンスターペアレントの順天堂につける薬
パリ五輪出場辞退の宮田笙子 所属先の順天堂大学が声明、との記事、「悪いことは悪いけどもっと罰は軽くていいじゃないですか~」と言っているように思えて、笑ってしまう。「社会的ペナルティー」が有り得ることを理解させなかった教育機関としての自分たちの至らなさを肝に銘じて、今後の糧にしなければならないのに、子どもの不始末に自省もなく騒ぐモンスターペアレントの如しだ。あんたら、遊び回って単位が取れず留年したり卒業できなくなる学生の親から、いつもいつも「ウチの子も悪いけど処分は軽くしてぇ~」と泣きつかれてるのではなかったか? この場合、日本代表選手どころか、そもそもアスリートとしてあるまじき喫煙を行った挙句、ナショナルトレーニングセンター内で飲酒したという明確な内規違反があり、そこらの学生が居酒屋で喫煙飲酒が発覚したのとはわけが違う。まして、若いと言うより幼い選手ばかりの女子体操日本代表では、当該選手は19歳の未成年でも最年長にしてキャプテンである。模範を示すべき立場で、プレッシャーに負け悪い見本になってしまったと自覚すれば、代表を辞退する他ないではないか? 日本大学のアメフト部の不祥事の折も「廃部はかわいそう!」とか何とか、物分かりの良さそうな母性愛にあふれた対応を求める人がいたものだが、その優しさこそ日本社会の良い所でもあるが、甘やかされたスポーツ選手の行く末を考えるなら、厳格な規律で自己責任を果たさせた方が、よほどためになることが多いように思う。 例えば、現在、世間を騒がせる無知な衆議院議員となっている堀井学さんにしても、北海道でスピードスケートの練習に明け暮れる大学生活を送りながら、なぜか4年で武道館における卒業式に参加して特別表彰?かされるような扱いを受けた栄光?の過去を持っている。これは、専修大学に限らずだが、日本の不見識な大学が在校生との活躍が己の大学のコマーシャルになると信じているせいであり、結果、世間知らずのアスリートは「大学出たってバカだから」にしてしまっている(なお、念のためウィキペディアで確認したら、堀井さんは愛煙家で「もくもく会」という国会議員の集まりに所属しているそうだ。いつから吸ってるのだろう?笑っちゃうね)。 ナショナルチームのメンバーになりさらに世界の強豪と争う選手に、大学での学問をする時間など無い。無いにもかかわらず、それを修めたような扱いをして社会に放り出し、在校中活躍して良いコマーシャルになった、で教育機関と言えようか?それなら、強い選手は大学など行かずに国の育成プログラムの中で実力を磨いてもらい、ケガをしてしまったり競争に負けてしまったり、スポーツの世界から離れた場合、大学で勉強できるように、その受け入れ態勢を整える方が、よほど教育機関としてのあるべき姿ではなかろうか。 学歴など、大卒でも高卒でも構わないが、大学で先生から教わるのではなく、自分で知識を深める学問をすることは有意義かと思う。アスリートの選手生命は短く、引退後の時間は長いので、引退後に大学で学問に接して、堂々と学士となれば良いだろう。「かくあらねばならない」という筋の通し方を忘れ、スポーツしかしない者に学位記を与えるような、学歴捏造機関であり続けるのは、まったく無様という他なく、人を育てる覚悟に欠けていると断ぜざるを得ない。 天の道にしたがう、のを建学の精神とする誇りがあるなら、スポーツ選手を「人寄せパンダ」に終わらせてはなるまい。当該選手が、若気の至りで社会規範を破り「人寄せパンダ」でなくなった時こそ、真価が問われているのである。別組織たる日本体操協会に文句を言っている場合ではない。ましてや順天堂と言えば蘭方医が起源だ。病気になったのはアレのせいカレのせいなどと言っている暇があったら病人の治療をするのが、医者の本分だ。では、教育機関の本分は何なのか考えないと、「お天道様はお見通し」、「人寄せパンダ」の値打ちが無くなって喚いているだけになると、自覚されたい。