Jaguarの軌跡

実は最近、授業にも手が付かないほどUC Davisに行かずにもう１年短大に残ろうかとずっと悩んでいました。理由は２つあって、１つはUCSFとの共同研究などに惹かれてUC Berkeleyに行きたいと思ったこと。もう１つはUC Davisに不安を感じてしまったことです。今さらながらDavisに単願で出した自分がすげーバカに思えてます。涙。ただ他の大学の欄にチェックするだけだったのに・・・。

まず、後者の方なんですけど、正直JaguarはDavisのことを一番だと思ったりはしていません。確かに（本当に自慢したいわけではありません）今年のUCの入試の結果を見るとDavisが一番入るのは難しかったとは思います。Davisに落ちてかの有名なUCLAやBerkeley、UCSDなんかに受かった人も結構知っています。UCLA、Berkeleyに限ってはGPAが3.3で受かった人までいるそうな・・・。けっこうありえませんね。それでもBerkeleyはBerkeley。UCLAはUCLA。どちらもアメリカでトップを争うほどすごいんです。Davisは正直に言って名も研究の機会もそこの二つとUCSDには負けると思います。BerkeleyはUCSFやStanfordと、UCLAはUCSDやCSUSDなどと連なり世界でもトップレベルな研究機関を確立させています。Davisはよく言えば独自の世界を持った研究機関。悪く言えば隔離された研究機関です。BerkeleyやStanfordの研究に入ることなんかも可能らしいのですがやっぱり背伸びをしてもそれらの大学ほどの研究を行うだけの予算はないと思っています。救いと言ってはなんですがDavisは幸いBioが強くNeuroscienceにおいては世界中の研究者を束ねるEdwardという方がいらっしゃいます（←これがJaguarのお目当て）しかし、もちろん世界のトップレベルの研究チームにundergraduateがひょっこり入れるわけがありません。入れないと考えた方が正しいかもしれないと思っています。メンバーを見ても普通にPHD、MDが下っ端として入っているくらいなんですよ。普通はgraduateがやったりするようなことをPHDやMDがやってしまうかもしれない・・・。そんなとこにはきっと本当に選ばれた人か運が強い人しか入れませんよね。そうこう考えていると（これがもう一つの理由になるんですけど）ドッカンターボで世界有数の研究チームに殴り込みよりも世界トップレベルをたくさん有するBerkelryに行った方がいいんじゃないかと思うようになったんです（今こう書くとなんか自分が逃げてたんじゃなかったのかと思えてきた・・・汗）もちろんUCSFがとっても魅力的ではあったんですけど・・・。


それで、今日学校から帰ってきてヤスがサインインしたのを見つけて即相談（ありがとう）残りの時間もないので煮詰めていこうと思っていたんですがそう簡単に決まることでも決めていいことでもありません。結局「もう少し考えてみるね」と言ってその場は終わったんですがどうしようもなく日本にお住まいの母さんに相談してみました。母さんの回答は早く「1年でも早く日本に戻ってきてほしい」ということでした。正直、1年間という時間が自分にも一番つらい部分だったので「もうちょっと考えてみてよ」って言うより「そうだよね」って心の中に残ったモヤモヤは消えないにしろ普通に納得してしまいました。Jaguarは心配ばっかりかけているんですよ。ちっさい頃から。
中学を卒業して親元を離れ、高校では部活をしながら一人暮らし。高校卒業間近という夏にはいきなり「アメリカで医者になりたい」と言いだし親が心配しているのも分ってるくせに「一度しかない自分の人生だからたとえアメリカに行って死んだとしても挑戦せずに長生きして死ぬよりも俺は幸せだよ」と言い切ったり。知ってたんですよ。Jaguarを許すのもすごくつらい選択だったはずなんですけど“自分の子供の人生だから自分の子供達に最後の選択権を与える”というのが父さんと母さんの信念だったって。そういう両親なんです。Jaguarは父さん譲りの頑固者、負けず嫌い、その他もろもろ。「自分の中に何か一つでもまっすぐなものを見つけるとそれをやり通さないと人生負けだ。」と考えるくらいの極論主義者の一面も持ってたりします。簡単に表すとイモ九州男児です。

電話の途中にJaguarの声のトーンが低かったので母さんが余計心配して「がんばれよー。お父さんとは今度ゆっくり話してみっじゃーん（方言）」とかずっと励ましにまわっていたのにはっと気づき、あせって元気なふりをしてしまって悪循環・・・。その場は一応「もう少し考ゆっけん」って言って切ったんですが、ちょっと前に父さんがJaguarがこの夏帰る時のためにお小遣いから飛行機代を出してあげようとちょこちょこ貯金しているという話を思い出して（しんみり）「これは心配させちゃいけん！」と思って即行もう一度電話して絶対父さんには教えないように頼みこみました。もちろん母さんにもいらん心配かけてしまって後悔の嵐だったんですけど・・・。


それから５分くらいぼーっといろいろ考え事をしていると今度は母さんから電話がありました。なんだろうと思って取ってみると何か伝え忘れたとのこと。「なんやったと？」と聞くと「この前兄ちゃんが帰ってきちょってー、夜お父さんと二人で酔っ払って肩ば組んでさ、Jaguarは自慢の弟っちずーっと言いよったっぞ。学校でも（兄＝高校教師２５歳）生徒に話しばすっとちた。やけんJaguarもガンバレよー。そいば聞かすがいち思って電話したったい。」だって。そんなことを伝えるためだけに電話をくれたハハ。はい。泣いたよ。泣きましたとも。

離れても一緒にいる時間が少なくても家族はやっぱり家族なんだと改めて感じてしまった今日の秘め事でした。実は母さんもグスグス言ってたっぽかったしね。あ、おれが泣いたのばれたせいかな。やべ・・・。


あ、結局Davisに行きます。頑張って首席で卒業しちゃる！
ヤスサン、おさわがせしてすんません。