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…あのあと加倉は教室で、自分にこういってきた。
「昨日は笑ったよ、キーチお前必死になって逃げてたな。」 いきなり呼び捨てで呼べるコイツは大物だと思う。 ていうか何で名前知ってるんだろうか? 「…なんで名前を知っているんだ?」 そういうと加倉は、 「ほら、落としてたぞ」 そういって自分の生徒手帳を渡してきた。 「…どこら辺に落ちてたんだ……?」 すごくいやな予感がしたが聞いてみる。 「墓のすごい近く」 やっぱりそうか…嫌になる…そんな所に落ちてた奴なんて… あいつめ、「笑いながらお守りにでもなるんじゃない?あっ逆か。」なんていってやがる。 …人事だと思って笑うのはやめてほしい。 「いやぁお前面白かったな、コケながら必死に逃げてたし」 「……人の傷を抉るのは人として最低だと思う。」 「まぁ気にすんな、私は面白いものが見れた。」 気にしない奴なんているんだろうか? …大内がいたか 「ところでさ、聞かせろよ…初めてだったのか?」 いきなりなんて事を聞くんだこいつは。 「なんのことだ?」 「だからキーチはあんなとこ行ったことなかったのかってこと。」 「昨日あったばかりなのになんかすごくなれなれしいな…」 というか未体験とかいいかたが悪いんじゃないかと思う。 誤解されたらどうするんだ? 「まぁそういうなよ…で?経験は?」 …絶対こいつは自分が楽しければどうなってもいいタイプの人間だ 墓の時もそうだったしね。 「…心霊スポットに行くのは初めてだよ」 周りに誤解されないように言っておく。 だが案の定あいつは笑いながら 「初めてだあの反応か、すごいなお前見所あるぞ」 すごく愉快なものを見つけたという顔でいってきた。 「見所?何の話だ?」 「なあキーチ、この近くにすごくヤバイ心霊スポットがある そこにいってみないか?」 ……開いた口がふさがらないというのはこんな感じだろうか? 昨日すごい恐怖体験にあっておきながらコイツは今日もまた行こうというのか。 同じような体験をした昨日合ったばかりの人間を誘って。 コイツは狂ってる。 本当にそう思う、そうじゃないとそんなことは言わないだろう。 感情のどこかが壊れているんじゃないだろうか? ━━━━でもそれならば 自分は答える つまらない日常を壊すためにあんなところへいったんだ。 なら答えは決まっている。 「わかった、いこう」 ━━━━すでに自分も狂っているのかもしれない お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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