ドッグレースの裏側 ~グレイハウンドに生まれて~
ドッグレースってご存知ですか 日本ではあまりメジャーではないけれど、ほとんどの方が何となく知ってると思います。旅先で見たことがある方もいるかもしれません。ギャンブルというより、華々しいイメージで紹介されることが多いようです。その華々しさには、必ず影の部分があるわけで・・・「レースリタイヤ犬」の酷い扱いは耳にしたことがありますが、まさかここまで酷い現状だったとは知りませんでした。ひとりでも多くの方に知っていただきたいと思って、書くことにしました。 人間って、本当にエゴの塊ですね。本当は、地球上で一番みじめな生き物は人間なのかもしれません。日本でも無責任な飼い主による放棄や、ブリーダー崩壊、繁殖リタイヤ犬の放棄、実猟犬の放棄・・・世界中にも、人間のエゴのために利用されたり殺されたりしてる犬たちがたくさんいるんですね。それでも人間を信じて愛してくれる犬たち。いつの日か、全ての犬たちが幸せに暮らせる日がきますように。 以下の情報は、ほとんどがこれらを知るきっかけとなった英国在住のseikoさんの言葉をお借りしています。詩の転載も快諾していただいて、本当に感謝です。写真の転載は残酷なので自粛します。 ドッグレースの裏側で、わずか2~3年のレースキャリアの後、多くのグレイハウンドがおもちゃのように殺されています。例えばイギリスでは年間10,000頭以上の グレイハウンドがレースを引退しますが、 レスキュー施設等に保護されるのは3,000頭以下です。 7,000頭以上のグレイハウンドが 残酷な方法で処分されています。痩せ細ってボロボロな姿で捨てられる。井戸に投げ込まれる。飼い主が誰だったかわからないように、刺青の入った耳を切り落とされて捨てられれる。多くのグレイハウンドは、動物実験用に寄付されたり売られたりします。脈拍や心臓の大きさが人間のそれによく似ているため都合がよく、そして穏和なグレイハウンドは苦痛を与えられても 咬みついたりしない為だそうです。 「レースで訓練を受けたグレイハウンドは、非常に素直で従順である。 彼らは友好的で扱いやすく、出血やその他の処置の際も静かに我慢する。」 (カリフォルニア大学獣医学スタッフ 談) さらに、1頭につき10ポンド(約2000円)で1万頭以上ものグレイハウンドの処分を15年にもわたって請け負っていた者もいるそうです。その裁判の判決は、罰金40万円。1万頭もの命って、こんなに軽いのでしょうか レースに負けたグレイハウンドが、レースのたった数時間後にエアガンで撃ち殺されるという事件も起きています。大金が動く、ドッグレース。そのために、現役のレース犬も不衛生な暗い犬舎に閉じ込められています。レースに負けたら殺されるか、そうでなくとも2~3年で処分されるグレイハウンド。 ペット先進国といわれる英国でのこの現状に、わたしはかなりショックでした。その他、ドッグレースが盛んな国はアイルランド アメリカ イギリス オーストラリア グアム スコットランド ニュージーランド マカオ など。グアムやマカオでのドッグレースの主な客は、日本人観光客だそうです。お国柄なのか・・・グアムやマカオのレース引退犬は食肉にされることもあるそうです・・・ 「グレイハウンドに生まれて」ここにひとりぼっちで座って、周りを見渡してみる。 誰もいない。何の音も聞こえない。 真夜中、真っ暗闇のなかで 僕に出来るのは、ただ待つことだけ。 きっと誰かが来てくれる。 そして僕に『暖かい家』を与えてくれるはず。 彼らは、どうして僕を置き去りにしたんだろう? 最後のレースで僕が何か悪いことをしたんだろうか? 一生懸命頑張ったけど、ペースを保つことが出来なかったんだ。 だから彼らは、僕に罵声を浴びせながら 殴ったり蹴ったりして、もう不用だと言ったんだろうか? 彼らが僕を引きずり回しているあいだ ただ怖くて震えているだけだった。 どうして彼らは、こんなことをするの? それは僕がグレイハウンドだから? 僕は彼らの手を舐めて、謝ろうとしたけれど その手は僕を乱暴に掴んで車に投げ入れた。 そして彼らは僕を木に縛りつけ、ここに置き去りにした。 彼らの車が走り去るのを 僕は目に涙をためて見送った。 一生懸命頑張ること以外に、僕が彼らに何かしたんだろうか? かつて彼らは、僕の足が速いって喜んでくれてたのに。 彼らは、いつも僕を乱暴に扱ったけど 彼らを好きになろうとしたんだ。 だって僕はグレイハウンドで、 そうやって扱われるのが当たり前だと教えられたから。 暗くて寒くて狭い犬舎に閉じ込められて 特に面倒もみてくれなかった。 いくつもの長くて寒い夜を耐えた。 そして彼らは僕を置き去りにした。 僕は、もうただの厄介物だって。 ぼくに『暖かい家』はない。 グレイハウンドに生まれてしまったこと。 それが僕の罪だから。 (By Sue Stoddart) レースで走る美しいグレイハウンドの姿とその裏側。http://uk.youtube.com/watch?v=NwPCxonWPq4レースの裏側で、 わずか2~3年のレースキャリアの後 多くのグレイハウンドが、 いらなくなったオモチャのように殺されています。 そのたった2~3年のレースドッグとしての期間も レースに勝つため、人間の欲のために、 彼らは、ほとんどの時間を 暗くて狭い犬舎に閉じ込められて過ごしています。 そして、暖かい太陽の光を浴びて遊ぶ事も 柔らかなベッドの感触も、 愛情のかけらも知らないまま、殺されていくのです。 YOU BET THEY DIE... あなたがドッグレースに行くことで そして賭けることで、彼らは殺されるのです。 ドッグレースという 残酷な娯楽がなくなることを願って。。。 (seikoさんの言葉より)