聖人君主になる日 24歳の中国人女性から教わること
新しいシェアメイトであり最愛の親友である中国人の友達と最近毎晩のように語り合っています。彼女と話していると本当に考えさせられることが多いです。まだ若干24歳の彼女に今年31になった私が教えられることは多く私は彼女の前でかなり素直に、謙虚な気持ちで彼女の話を聞くことができます。以前も日記に書きましたが彼女は3000元の給料の中から毎月1000元を病気の弟に仕送りしています。その上、年老いてなおほとんどお金にならない農業を営み生活の糧にしている両親に「自分がお金を送るから、もう働かなくていい。」とすら伝えています。家族や親戚との交流をほとんど断ち離れて暮らし続け、ろくに電話すらかけない私には理解し難い彼女の深い家族愛。。。彼女の話を聞く限りでは彼女の両親は特別良い親という訳でも彼女に対して愛情をうまく表現し続けて来た訳でもなさそうです。それどころかむしろ、客観的に見たら「ひどい親」と思える部分さえ多々持っているように思えます。それなのに彼女は家族を何よりも大切にし何をしてもらえなくとも離れて暮らしていても日々感謝の気持ちを忘れず2日に一度ぐらいは連絡をして無事を知らせ「金持ちになるのや時間ができるのを待っていたら 手遅れになるかもしれないから。」と、忙しい時間の合間をぬってこまめに連絡し決して多いとは言えない給料の大半を家族に送り続けています。彼女の話を聞いていると私は自分がとても薄情で根本的な部分で欠陥のある人間なのではないかと思う時があります。彼女はそれなりに、日々の生活での疑問や不満をもらしたり愚痴や他の人の悪口とも取れる発言が飛び出したりすることも多々ありますが根本的な部分で、全てを受け入れ、全てを許し、全てを浄化する大きな器のような心を持っていて、何でも安心して告白できる相手なので、私はよく彼女の前で自分の闇の部分を告白し、許しを乞い、傷を癒してもらったりします。彼女はさながら信仰宗教を持たない私の教会又は懺悔室のような存在です。昨晩私はいつものように彼女の不満話を聞き、彼女の物事に対する解釈をプラスに変えようと導きながら同時に自分の過去の過ちを責められているような気分になり罪悪感に苛まれていました。そしていたたまれなくなって彼女にこう告げました。「私はもっとひどいことを たくさん人に対してやって来たよ。 今は昔より器用に人と付き合えるようになったけど 結構計算高くて腹黒いと思うし。。。 私は今、どんな相手でも なるべく良い部分にだけ目を向けるようにしてるし 何をされても許すようにしてるけど それはどうしてだか分かる? 私にとって人の過ちを許すことは 自分自身を許し、過去の傷を癒すことだから。。。 人間みんな成長段階っていう物があると思う。 その理解できない嫌な相手が、 いつか私のようになるって信じられる? 私は信じられるよ。 自分がすごく変わったから。。。 他の人の成長や変化も信じられる。 なるべくその人の良い部分に目を向けるようにして 私を許すと思って その人を許してもらえないかな?」そして色々話す内、ふと気になって彼女に尋ねてみました。「悪いことしたことある? 法律に触れるような悪いこと。 盗みとか、人を傷つけたりとか。。。」やっぱりですが、彼女の応えはノーでした。そして私は彼女に私が過去犯してきた過ちを告白しました。窃盗、傷害、器物破損、薬物使用、等々。。。必要に迫られた訳でもないのに簡単に盗みをしていたこと。無抵抗の相手に数人で暴行を加えたこと。バイクで人をひき、全治数ヶ月の怪我を負わせ、裁判所に行ったこと。「うるさい。」という理由だけで母親に鉄パイプを投げつけたこと。700℃のたばこの火を押し付けてできた根性焼きの跡や血が出るまで壁を殴り続けて自分を傷つけたこと。「私は本当に、人を幸せにしたいとずっと思って来た。 それは子供の頃からずっと変わらない。 でも未熟で、コントロールが利かなくて 今までたくさん人を傷つけて来たよ。 今だって、気をつけてても ムッと来て人に攻撃的な態度を取ったりすることもあるし 意図的に人を利用しようとしたり 相手の性格をうまく利用して 自分の欲しい結果を導こうとしたりもする。 私はそんなにできた人間じゃないよ。 私に比べたら、みんな本当にもっといい人だと思うよ。」そう言うと彼女は優しく穏やかに自然な調子でこう伝えてくれました。「手相と同じように、人相ってあるでしょう。 人間どんなに隠そうとしても 長年培ってきた人格が顔に出るものだと思う。 私はそれを信じます。 あなたの顔は優しくて親しみやすくて 悪い人の顔じゃない。 「周りの人を幸せにしたい」っていうあなたの気持ち、 本当なんだと思います。 うまく人とつきあっていくために 本当の気持ちを隠したりするのは 今の世の中生きていくために必要だから 経験を積んで身につけてきたことでしょう? 昔は純粋とか正直なのは 人に好かれたかもしれないけど 今は何でも正直に言ったら 「ばか」だと思われます。 それは今の時代、しょうがないことだと思うし、 悪いことじゃないと思いますよ。 あなたは別にどこも悪い所ないと思うけど ひとつだけ改善することがあるとしたら お父さんやお母さんには たまには電話ぐらいしてあげた方がいいと思います。 親とか家族っていうのは、他の誰よりも どんな時でも自分の良い面を見て 信じてくれる人達でしょう? いつも気にかけて大事にすれば 向こうも気にかけて大事にしてくれるし そうすると元気をもらえます。」彼女は私が今まで生きて来た中で一度も出会ったことがない、私の闇を光に変えてくれる女神のような人です。いつか私が聖人君主のようになれる日が来るのかどうかはわかりませんし、神様がどうして今私と彼女を引き合わせたのかもよく分かりませんが私が7つ年下の彼女から日々教わることは非常に多いことだけは確かです。