映画「のぼうの城」の忍城を勝手に訪問する
東京から高崎線へ乗るのも久しぶりだ。大宮を出ると、何だか似たやうな景色ばかりが延々続いて退屈するが、行田へ近づくにつれて急に人家もなくなり、広大な畑地が広がってくる。駅へ着いてバスに乗り換える訳だが、あらかじめ用を足しておきたいと思って見つけた公衆便所らしき建物に「さすが、ご城下を意識してますなぁ」と歩いて行くと、それは便所ではなく観光案内所であった。これまた失礼。便所だと思ったら観光案内所でした行田駅から忍城までバスで向かう。バスに乗って良かった。とても歩ける距離ではない。国鉄行田駅は市の中心部から離れており、お城は秩父鉄道の行田市駅に近いからだ。さて、市の中心部にあるバスターミナルを降りたら、近隣の小学校にSLが安置してあるのを発見。近くで見るとかなり傷んでいた。秩父鉄道のSLも、此のやうに学校に安置してあったものを整備して走らせたと云ふが、此処まで傷んでいると復活運転は無理であろう。いよゝゝ忍城へ。門をくぐってちょっと歩くと、松の木の間から白く輝くお城を発見!近世の松平氏時代の城郭を一部再建したものであるが、うーん時間かけて此処まで来た甲斐もあったと、まずは成果を実感。おもてなし甲冑隊がお出迎えお堀にかかる橋を渡ると、おもてなし甲冑隊のみなさんが早速お出迎え。こっちも彼らの演武が始まるのに合わせて、バスと高崎線の時刻を逆算して家を出たって訳だ。さて、演武の見学者は20人ほどか~石段に腰かけて見物させていただいた。甲斐姫殿の演武~さすが東国一の美女とあって此の人も相当な美人です。いよいよ我らが成田長親が登場、終始コミカルな演技が続くのは「のぼうの城」を意識してのことだろう。映画のことをつぶゝゞと思い出した。東宝の株主優待券があったので、今の嫁さんを誘って札幌シネマフロンティアへ見に行ったのである。甲冑隊のみなさん、ありがとうございました。さて、城郭内にある市立博物館を見学(撮影不可のため写真ありません)し、行田市について一通り学ばせていただいた。再建された櫓の内部は展望台になっていて、博物館からは冷房完備の地下道で結ばれている。実はすごいハイテクな城なのだ(笑)。城郭を後にして、行田市駅へ向かった。駅の雰囲気は、昭和から時間が止まったやうで、近世の城の方がずっと近代的なんだから面白い。行田市駅から秩父鉄道で羽生へ向かう。途中は見事な水田地帯であった。9月上旬なのだが、幸いなことに気温は28度くらい。嫁さんは終始「暑いー」とバテ気味だ。羽生駅前の涼しそうなファミレスを探して一服した。拙者の感覚からすれば、世界で最も暑い館林市の近隣で28度は気持ち悪いくらい涼しい、こんな感じだろうか。近世の行田はもっと涼しかったんだろうなぁ。