ケーキをスポンジから自作~コスパ的によろしいのは事実
男40にしてケーキ作りに目覚める・・・さっきまで阪急電車の鉄道模型をいじってたのに、急にケーキを作るとか言い出したのだから、嫁さんは「相変わらず妙な男だ」と思ったろう。 とにもかくにも、ホワイトデーを理由に第1次作戦を実施したのだが、まずは練習~スポンジは「つくってハッピー」を使用し、ホイップの基本を学んだ。ナッペの難しさにノイローゼ気味となり、泡立てをどの辺でやめればいいのか悩む。少々雑になったところで味に違いは無いのだが、左官屋さんみたいな壁を作りたい!と躍起になってしまうというのが拙者という人間なのである。さて、今度は「結婚記念日だから」という理由で第2次作戦を実施だ。今回はスポンジも自作するのだ。「つくってハッピー」も、そこそこの値段がする。ありきたりの材料で出来るスポンジは、自作がコスパ的にいいのだ。 まずは材料の調達・・・拙者は100円ショップで「ふるいにかけるやつ」「15センチ型」を買い、嫁さんは「スジャータ豆乳ホイップ」「アプリコットジャム」を調達。 ところでスジャータの語源て知ってる?と嫁さんが歴史薀蓄を・・・ はるか昔・・・釈迦は生死を彷徨うほどの激しい修行を積んでいたが、なかなか悟りを開けないでいた。苦行する釈迦を見たスジャータという娘さんは、この方はよほど有り難い精霊に違いないと思い、当時高価とされていた乳粥を献上した。釈迦は、その乳粥によって元気を取り戻し、ついに悟りを得て仏教が成立したとされる。なるほどね。拙者も先代から仏教徒らしいけど、そんなこと何も知らなかった。 いかに御釈迦さまと言えども、少しいいもの食べた方が頭も冴えて創造力も高まるフツーの人間だったという訳で、それなら普段から三食きっちり食べて運動した方が悟りも早く開けたはずだ!と言いたくなるのだが、それでは普通過ぎて宗教にならないのだろう。母親が作っていたのを思い出しながら・・・話が脱線してしまった・・・本線に戻って作業開始だ。あらかじめ小麦粉・砂糖を計量し、小麦粉をふるいにかける。古紙を出した直後だったので、ちょうどいいチラシが残っていない。読んでなかった東宝の業績報告を読みながらふるいにかけた。続いて卵を黄身と白身に分けて、例の「メレンゲ」をつくる!子供のころ、よく母親の手伝いしたよなーと昔を思い出す。景色が映りこむような銀メッキの泡立て器に「萌ぇ~」というのも拙者の性格で、とにかく景色が映りこむような光沢に弱い。阪急電車が好きなのは、自分の顔が映るほどピカピカだから(笑)。とにかく泡立て器のデザインに萌ぇ~ オーブンを予熱し、型にマーガリンを塗って、出来上がった火薬を型に流し込む。オーブンにかける時が一番緊張するね。小学校の理科の実験を思い出すよ。 出来上がったスポンジを型から出して、しばらく冷ました。うーん、やっぱり全体的に歪んでいる。そこはクリームを塗装する際にカバーしなければならない。 今回は、イチゴを挟まずにアプリコットジャムを塗った。オーストリアの「ザッハトルテ」の作り方をネットで見ていたら、1階と2階の間にアプリコットジャムを塗っていたのがヒント。酸味を効かせたいのと、イチゴとクリームの節約である。いよいよクライマックスのナッペの作業~1階と2階の間に隙間が出来てしまうので、ちょっと市販のクリームで補修工事を・・・。後で考えたらそこまでやる必要は無かったかな?で、悩むのはやっぱりクリームの泡立て。どのくらいで止めればいいのやら。ちょっと今回は緩めなうちに塗り始めた。なるほど、教科書みたいに屋上からクリームの余りが垂れてきて、下に流れてくる。ちょっと緩すぎたのか、地階部分にクリームが溜まる結果となった。そして回転台を回しながら四苦八苦する。これはもう経験を積むしかないのだろう。前回は市販のスポンジだったので、かなり正確な円柱だった。今回は、なにせ素人作成のスポンジだから歪みに歪んでいる。補正に補正を重ね、何周も回転させ、でもやってるうちに「ヨーロッパの宮殿の壁みたいに」なってきたときの嬉しさって、文字に表現できないものがある。屋上の飾りホイップやイチゴも隙間なく並べるようにして、位置関係の歪みが分からないようにした。経験を積むと誤魔化し方も分かってくる。もう回転台のまま食べちゃう!ことにして、余ったクリームやイチゴを回転台の余ったスペースにいくつか並べ、チョコのソースとか適当にかける。インスタ映えを狙うなんて1万年早いけど、表現方法は無限大だよな。いよいよ試食!・・・ところが食べて分かったのは「スポンジが固い!」ということ。スポンジが固いのにクリームが緩いので、切ってお皿に分けて第1回フォーク差し入れまで行ったらケーキが見事に歪んでしまった! うーん、できればもう少しフワフワ感を出したいのだが・・・。ケーキ作りは理科の実験!何かしら科学的な理由があるはずだ。これはまた次回の課題。食べながらいろいろ考えていたので、お約束だったヨハンシュトラウスをかけながらゲミュートリッヒなひとときを・・・なんてこと忘れてた。