メリタのコーヒーミルを買って豆から挽いたらこうなった
親戚から頂いたモンカフェがちょうど無くなった。しばらくコーヒーを飲む機会がなかったが、カルディの前を通りがかった時に売り子さんが入れてるコーヒーの香りに誘われて、ついでに一杯もらって口にして、やっぱりちゃんとコーヒー飲みたい!と思ってみたけど、家にコーヒーメーカーなんかある訳ない。年末年始、伸井太一先生著「第二帝国」を読んでいて、紙フィルターでコーヒーを作る方法は帝政ドイツ時代に考案されたことを知った。しかも、発明者はメリタ夫人というアマチュアの専業主婦。スーパーとかで「メリタ」のフィルター紙が忘れられたように積まれているのを目にするが、なるほど人の名前だったとはねぇ。一般家庭の主婦が世界で支持される発明を成し遂げたのも夢のある話だ。帝政ドイツ萌ぇな拙者にとって、何とも興味深いネタを仕入れることが出来たよ。ペーパードリップかぁー・・・。ドリッパーとフィルター紙を手に入れたら、まがりなりにもストレートコーヒーが作れるという訳だ。自宅Bar「プロイセン」運営者として、どうせなら帝政ドイツ時代のコーヒーの淹れ方にこだわるか!と一念発起する。メリタのドリッパー、既製品にピッタリ合った!調理器具といえばカッパ橋商店街でしょうということで、はるばる東京は上野まで行って来た。もちろん、「メリタ」を探しているのである。とある調理器具専門店でドリッパーとフィルター紙を見つけたので購入。その店にメリタ製のコーヒーミルが置いてあったが、値段は5,500円と表示してあって、さすがに買うのは躊躇した。でも欲しい!コーヒーミル欲しい!自分の手でコーヒー豆挽いた!なんてちょっとした話のネタになるよな、そう思うとやっぱりコーヒーミル欲しい!でもここで立ち止まって考えるのが拙者という人間である。世の中便利になったもんで、メリタのコーヒーミルがネットでいくらくらいなのか、スマホですぐに分かってしまう。どうやら、ヨドバシカメラのオンラインショップで2,400円くらいで売ってるようだ。店頭でも扱ってるかも知れないと、かっぱ橋から真っ直ぐ秋葉原のヨドバシまで歩いた。秋葉原のヨドバシは巨大な店舗で、コーヒーメーカーのコーナーへ行ったら、考えられる限りのコーヒー用品が並べてある。コーヒーミルも何種類も置いてあった。その中に、確かにメリタのコーヒーミル・クラシックを発見!やはり2,400円であったので、迷わず購入だ。コーヒーミルと紙フィルター開発者メリタ夫人の紹介も・・・肝心のコーヒーも買わねばならない。しかも、豆のままで売っているコーヒーをわざわざ探すことになった。そして結局、前に売り子さんからコーヒーをもらった記憶のあるカルディに戻って来たというのだから、やはり無料試飲に費用をかけるのは有効なのである。さて、いざコーヒー豆を買おうとしたところで、何を買えばいいのかが分からない。こういう困った時は「安いのから」買うだけのことだが、「ま、豆のままでお願いします!」と店員さんに言うのも少し恥ずかしい気になった。要は、うまくいくか分からないのである。ビジュアル的に素晴らしいカルディのパッケージがかわいらしい。「山羊の伝説」をビジュアル化しており、コーヒーの歴史をちょっと図書館なんかで読んだ拙者にとっては、何とも感慨深いものを感じた。コーヒーが欧州で流行ったきっかけは、トルコ軍がハプスブルク帝国の総攻撃に失敗して撤退する際に、持参したコーヒー豆を大量に遺棄したことがきっかけらしい。カルディが配ってるコーヒーは砂糖入れ過ぎだけど、トルコ人が飲むコーヒーの甘さも尋常でないようだ。数年前、トルコ海軍フリゲート艦が晴海ふ頭にやってきたので、興味本位で見に行ったが、甲板で見学者にふるまわれたコーヒーの甘さといったら!どんだけ砂糖入れたらこんなに甘くなるのか!と思うほど甘かったよ。甲板でコーヒーを配るトルコのご婦人コーヒーだけでなく、串本とエルトゥールル号を重ね合わせたデザインのTシャツまで頂いたっけ。あれは楽しい思い出だったな。自分でコーヒー豆を挽いてみたらこうなったさて、いよいよ豆をコーヒーミルで挽いてみた。あらかじめ必要な量を計量する。挽くのは力の要る作業だった。ドリッパーにフィルター紙をセットし、挽いたコーヒーを投入。お湯を注いでいく訳だが、メリタのドリッパーは穴が一つしか開いておらず、なかなか時間がかかるものだよ。でもこれはメリタ夫人が考案した伝統的な抽出法なのだから、じっと我慢である。一連の作業の合間にも、渋いコーヒーの香りが漂ってくる。香料にまみれた既製品とは全く違う繊細なものである。さて、出来上がったコーヒーを試飲。嫁さんにも飲んでもらった。いつも砂糖とコーヒーフレッシュが必需だった拙者も、コーヒーの味を確かめるためにブラックで飲んでみた。ら、これまで意識もしてなかった酸味をすごく感じる!やっぱり何か違う?甘いクリームのお菓子との相性は抜群だ。まぁ成功といったところか。大変なのはコーヒーミルの後片付け。付着したコーヒーの粉を丁寧に取り除かねばならない。こんな時に役に立ったのは、阪急9300系のNゲージの室内を塗装する時に買った絵筆のセットで、太すぎて使わないまま保管していた筆・・・。これで粉を掃っていく。何とも手間暇かかる作業で、ある種の道楽だと割り切らないとやってられん、という感じである。