神鉄粟生線乗ってアフタヌーンティーセットを食べに行く
がんばれ粟生線映画製作プロジェクトというクラウドファンディングに参加したからには、やっぱり神戸電鉄粟生線に乗っておかねば人生半分損するというものである。ということで大阪滞在1日目は、きっちり乗り鉄をカマすこととなった。なにせ神戸電鉄に乗るのは初めてなのだ。興奮して前夜から寝つけなかったというからまるで子供と同じだが、前の日にサンライズ出雲に乗って3時間しか寝ておらず、睡眠負債は溜まる一方なり。さて、旅の始まりは阪急梅田駅から。神戸線新開地行の車内で発車を待っていると、となりに到着したのは華やかなラッピング車。ただでさえ阪急電車は芸術的だが、その美しさを損なわないラッピングデザインがこれまた素晴らしい。新開地駅は神戸電鉄のターミナル駅なのだが、阪急や阪神と比べると少し時代に取り残された寂しい雰囲気を感じる。日中の粟生行は1時間に1本しかないので、時間厳守で行動せねばならない。ホームに降りて感激!これ復刻塗装車だよね。しかも運転席に縫いぐるみが堂々と鎮座している。運転席に縫いぐるみ~こんな鉄道会社は世界広しと言えども神鉄ぐらいではないか。新開地を出発した電車は、やがて険しい山岳地帯に差し掛かる。予想を超える急勾配と急カーブの連続である。線路の横は切り立った崖が続き、そこからは崖っぷちにしがみつくように建ち並ぶ住宅が目を引く。本日はあいにくの天候でありまして、少々霧も立ち込めており、マチュピチュというか天空の町状態である。これは凄まじい光景だよな。登り坂を登って登って着いたのがすずらん台駅。有馬方面の線路が分かれる神戸電鉄の一大ジャンクションだ。いよいよこの電車は粟生線に入る訳だが、乗客はロングシートにサラリと埋まった程度はいて、とりあえず乗ってる人がいることに安堵する。この先に「アフタヌーンティーセット」があるってほんと?粟生線に入った電車は再び急勾配を登って行くが、しばらくすると今度は下り始めた(笑)。どんどん下って行くと、田園風景広がる盆地に下りて行くのがはっきり分かって、これは登山電車みたいだと思った。さて、本日は嫁さん同伴である。ご婦人を連れて行くとなれば、やはり小奇麗な食べる所ぐらい押さえておかなければならぬ。こんな時に便利なのがスマホという奴で、小野市まで行ったと仮定してどこか食べるところを検索した。すると意外なものが見つかった。樫山駅徒歩8分に長井珈琲という店があり、2時からアフタヌーンティーセットをやってるという。拙者はすぐに、去年ユーハイム直営のカフェで食べたアフタヌーンティーセットを思い出した。一人弐千円はしたが、満足の行くものだったのだ。ところが、長井珈琲のセットは一人980円だという!これは行くしかない。ところが、車窓の光景からして、とてもアフタヌーンティーセットにありつけるような雰囲気ではない。さすがに不安になって来た。列車はとうとう樫山駅に到着、我々以外に3人くらい降りた。当たり前のごとく無人駅である。でもお花が綺麗に植えられていて、小さいながらも愛が感じられる駅である。駅の案内放送は地元高校の放送部が製作しているそうで、こういう所にも愛が感じられる。やっぱり粟生線を廃線にしてはならないのだ。駅前は商店が一件も無い。スマホの地図に示されたとおり、道路沿いを進んでいく。周囲は田圃と農家が点在しており、ここはもう大阪近郊区間ではなく「播州」という名に相応しい雰囲気である。テレビで秘境駅みたいな所を降りて食べる店を探す番組があったような気がするが、あれとそっくりだな。などと思っているうちに、えらく立派な店を見つけた。どうもこれらしい。良かった!ちゃんと営業していた。店内に通されたが、東京では絶対に考えられない、ゆったりとしたテーブル配置で、どんな格好しようが隣とぶつからないのが素晴らしい。そして、お目当てのアフタヌーンティーセットを注文したところ、出て来たのはこんな感じ。果物にワッフル、コーヒーゼリーにケーキ、そしてコーヒーはデカいカップになみなみと注がれていて、しかも1回おかわりも出来た。これで一人980円とは驚きだが、お陰様でゲミュートリッヒなひとときを過ごせた訳だ。さて、いい時間になったので、我々は樫山駅へ戻り、次に来る電車で小野駅を目指すこととする。続きはまた今度・・・。