ジャラン・ジャラン・パインビレッジ

最近、鬱々な話が多いので、ゲーム業界の話でもします。
一応、私、TVゲーム人生30年くらいのキャリアを持ちます。
その前の光線銃から始まり、ゲーム&ウォッチ、テニスゲームから、
任天堂さんにはお世話になっております。

私の人生において、コンピュータと同様に、
TVゲームは切っても切り離せません。
同じITテクノロジーを使い、ハードウェア、ソフトウェアも
平行して技術革新が続き、今は操作性の上では、
TVゲームの方が上なのではと思うくらいです。
ですので、IT業界の動向と同じくして、
ゲーム業界についても、しっかり抑えておく必要があります。
まだまだPCのソフトウェアは万人に受け入れられるほど、
簡単な操作ではありませんから。
ユーザインタフェースの大切さが益々重要視されますから。

前置きはともかくとして、最近はブロードバンドの時代となり、
新製品発表も、インターネット上で見ることができます。

私は仕事柄、Windowsを使うことが多いですが、元々はAppleマニアでして、
社長のSteve Jobsのファンであったりします。

彼の新商品の際のスピーチはとても魅了されます。
まるでマジックにかかったようです。
インターネット、例えば動画サイトYouTubeなどから、
彼のプレゼンを見ることが可能ですが、
話し方、タイミングの小気味よさ、デモンストレーション、
とてもすばらしいものがあります。

さて、話は変わって、任天堂が先ごろ9月14日に、据え置き型ゲーム機、
Wii（ウィー）の発表会を行いました。

Apple社と異なり、どちらかというとビジネス指向のプレゼンであることは、
見ていて非常に分かります。そして、携帯ゲームの売り上げが大変好調にも
関わらず、次のゲーム機は携帯ゲーム（NintendoDS）よりも売れることはない。
と謙虚に言っていましたが、それは納得できます。
大花火をどかんと打ち上げるよりは、非常に説得力のあります。
携帯ゲームとTVの前で座って遊ぶゲームとは質が違いますからね。

それじゃあ、今度のWiiはどこで勝負するか。
それは「脱ゲーム」だそうです。
ゲーム屋が「脱ゲーム」とは、コロンブスの卵ですが、
でも、それはいい選択肢であると思います。

昔のファミコンの頃みたいに、ゲームしか無いって時代ではありませんしね。
DVD鑑賞をしたいし、インターネットでブログ書きたいし、
音楽を聴きたいし、色々みなさん忙しいですしね。

それに今のゲームって、やたらマニアックなところがあり、
まぁ、ゲーム好きが好むゲームを作るという悪循環でもあったわけで、
それが「一見さん、お断り」な部分もあったのですが、
そういう鎖を「NintendoDS」はぶっ壊してしまった。
ゲームをしない人でも、脳のトレーニングと言って、DSを使っている。
売り上げがすごくて、いつも品切れ状態。
これは本当にすごいです。メーカ自体が驚くのも無理はありません。

今回の任天堂の据え置き型ゲーム機は「脱ゲーム」といいましたが、
何が脱ゲームなのか？
それは、ゲーム機の形をしたパソコン、それも2万5千円なのです。
もちろん、ネットワークに繋げないと享受できませんが、
ブラウザを使ってインターネットにつなぐことが出来たり、
天気予報を見たり、ニュース情報を見たり、
SDメモリカードを使えば、TVにデジカメ画像や、動画を見ることが出来たり、
携帯電話や、パソコンとメールのやり取りが出来たり・・・
これって、パソコンですよね。簡単な。
それも、TVリモコンみたいな操作で扱うことが出来る。。。

もしかしたら、本当にお茶の間に、知らないうちに
インターネット環境が出来てしまうかもしれない・・・
パソコンだと難しい操作も、インターネットやメール、
デジカメ写真やニュース、天気予報を見るだけなら、
パソコンよりもずっと安く、使いやすく楽しめるかも知れない。
もしかしたら、うちの親父、お袋でも使えるかも。。。。
そんな感覚、予感を感じさせます。

もちろんゲーム機ですから、ゲームもちゃんと用意しています。
Wii専用のゲームでは、TVリモコンを振り回して、
体感ゲームみたいに、テニスが出来たり、ゴルフスウィングして、
遊ぶことが出来たり、みんなでわいわいと遊べる環境が出来ます。

子供の頃に遊んだファミコン、スーファミ、ニンテンドー64、
メガドライブ、PCエンジン、MSXなどのゲームも、
インターネット回線でダウンロードして遊ぶことも出来ます。
（もちろん有料ですが。500円程度からだそうです）
その辺りは、昔ゲーム少年、ゲーム少女だった、
パパ、ママのハートをわしづかみにするでしょう。

どうも、任天堂は「家族、友達」で楽しめる道具を目指しているようです。
決してゲームだけでないもの、それを目指しているようです。

SONYやMicrosoftは、まだゲームに特化した部分が見受けられます。
確かにハードスペックやゲームとしてのビジュアルな部分はすごいと思います。
が、これからは見た目も大事ですが、それ以上の付加価値がないと
幅広い層に受け入れられないような気がします。
何せ、SONYの次世代機、プレイステーション3は、安いモデルで5万円くらいします。
任天堂の倍ですよね。これは、差が大きいのではないか。
いくら、グランツーリスモがすごいからと言って、
みんながみんな、車好きって訳ではないですしね。
5万、7万円出してゲームを買う人は、ゲーム好きか、
独身でお金もあるし、いっぺん買ってみようかってな感じで、
すぐに大ヒットとなることはないでしょう。
みんな様子見なのではと予想しています。
MicrosoftのXBOX360も、ハイスペックですが、
PS3との差別化はどうなるのかが見ものでしょうね。

その辺り、任天堂は割り切っています。
2万5千円にするために、おそらく部品そのものは、出来るだけ汎用性のもので、
構成されているでしょう。
故・元任天堂の横井軍平氏の有名な言葉で、「枯れた技術の水平思考」というのがあります。
最先端の技術でなくても、枯れたテクノロジーで、いかにコストを安く、
面白い発想を持ったおもちゃが出来るか・・・
軍平氏はいつも考えていらっしゃいました。
最先端に乗るのは、割と容易い。が、今ある素材をいかに有効に使いきるかは、
技術屋の腕の見せ所だと言う事。
これは自分たち、IT業界でも割りと言えることではないかと思っています。

自分としては、任天堂のWiiに期待しています。
あのコントローラ。そして、インターネットとの共存。
もしかしたら、世界をまた変えてくれるかも・・・
そんな期待をしています。

子供からお年寄りまで、誰でもTVの前に座って、
自分が見たい情報を見ることが出来る端末。Wii。
そういう世界がもうすぐ来るかも知れません。

ちなみに、Webサイトを紹介します。
ここから、社長のWiiプレゼンを見ることが出来ます。

http://www.nintendo.co.jp/wii/index.html



Nintendo Wii12月2日（土）発売決定