夢を追う人
年下の知人にミュージシャンを目指している人がいる。 その彼の話。 ミュージシャンを目指し始めて周りから言われた言葉は「音楽でメシが食えるのは、ほんの一握りの人間だけ。諦めたほうがいい」「音楽は、あくまで趣味にして、安定した職業についた方がいい」「世の中上手いやつは沢山いる。食えないよ」と言うものだったらしい。 正直、どれもこれも予想のつく言葉ばかりだ。 その彼が言った。「食えるってどういうことですかね?」「え?やっぱり3食、フツーの家庭のような食事が出来ることじゃない?」「それって皆がみんな、そうならなきゃいけないんですかね」「う~ん」「安定した職業ってなんですかね」「まぁ、公務員とか大企業の会社員とか」「それって楽しいですか?今の世の中で安定してる企業とかあるんですか?公務員だって給与が引き下げられたり、世間から叩かれたりしてますよね」「う~ん」「確かに上手い人は沢山いますけど、たとえば料理人なんて、一番上手く料理出来なくちゃお店を出しちゃダメなんですかね。写真家さんも誰よりも上手くなくちゃ仕事しちゃいけないんですかね」「う~ん」 音楽でメシを食うと言うのは、みな何となく不安に、ネガティブに考えているのだろうと思う。自分もそうかも知れない。確かに日本(世界もかな?)で、音楽を生業にして生計を立てていくのは大変かも知れない。でも、逆もアリだなと思う。要は、音楽を生業として副業で生活を支えるというヤツだ。 夢を追うやつに無責任なことは言えないが、だからといって世間一般の基準だけで、その人の可能性を否定するような言動は慎みたい。 行けるか?ダメだったか?を決めるのは他人じゃない、自分なんだよね。 言い方乱暴だけど、人の小ざかしい忠言なんか聞かないで突っ走ったやつが業界に残れる気がする。 そう思った瞬間だった。