偉人を敬い弔える国
日本に献身した安倍さんを敬い、弔らうことができる国でよかった。雑音に惑わされない国でよかった。 「事実を通じて真実を、現象を通じて本質を」との姿勢で物事を捉えながら、仲間と日本を愛して、遂にはシベリア強制労働収容所にて潰えた山本幡男さんの遺書を思い起こした。 子供たちへの遺書の一節「日本民族こそは将来、東洋、西洋の文化を融合する唯一の媒介者、東洋のすぐれた道義の文化---人道主義を以って世界文化再建に寄与し得る唯一の民族である。この歴史的使命を片時も忘れてはならぬ。 また、君達はどんなに辛い日があろうとも、人類の文化創造に参加し、人類の幸福を増進するという進歩的な思想を忘れてはならぬ。偏頗で矯激な思想に迷ってはならぬ。どこまでも真面目な、人道に基く自由、博愛、幸福、正義の道を進んで呉れ。」 辺見じゅんの「ラーゲリから来た遺書」の中には、日本は世界がうらやむ国になるとの言葉ものこされたとの記載があったかと思う。 安倍さんは、山本さんの遺志に合致する業績を残されたと思う。「収容所から来た遺書」辺見じゅん(1989)の読後感「囚われぬ精神」