先日「日記一周年記念」で紹介した「決断の時」と言うリドルストーリー。
物語の、ぎりぎりで結末を読者に示さずに終わってしまう、短編小説を、こう呼ぶ。
中で書いたが、リチャード・マティスンと言う人の「箱の中にあったのは?」というリドルストーリーをご紹介しよう。
(記憶に頼っているだけなので、少しオリジナルと違うと思います。arkyバージョンと思ってください)
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ある小さな町で、いつも道行く人に変なことを話しかけるおじさんがいた。
「ねえねえ、あの森の中の白い家の庭を掘って見なさい。驚くべきものが出てくるよ」
「あの白い家の庭を掘って見なさい」
そんなことばかり言って、人々は頭のおかしいおじいさんだと思って、相手にもしなかった。
でも、主人公の少年は違ったのだ。
「ねえねえ、坊や。あそこの森の中にある白い家の庭を掘って見なさい。びっくりするものが出てくるよ」
そんなおじいさんの言葉が、頭についてしまって、気が気でならなかった。
今日も、学校の帰りにおじいさんにいつもと同じことを話しかけられた。
「坊や。あそこの森の中にある白い家の庭を掘ってごらん。面白いものが出てくるよ」
「面白いもの?」
「そうさ、本当に、面白いんだから」
面白いものって、何だろう?
少年は気になって気になってしょうがなかった。
ついに、家に帰ってから、スコップを持ち出して、森へと向かった。
確かに、森の奥深くに、白い家があった。
誰もいない。
手作りの柵に囲まれた庭も確かにある。
そこには、真ん中に、盛り上がった場所があった。
ここかな?
少年は、スコップで、その盛り上がった場所を掘り始めた。
あたりはいつの間にか、夕方になって、日没が近づいて来た。
まだ、陽の光があるうちに掘り終わらないと・・
少年は、あわてて掘った。
一生懸命掘り続けた。
時が経ち、
そのうち、がちっと、スコップに固いものが触れた。
箱である。
大きな箱が、埋まっているではないか。
もう、すぐだ。
そう思って少年は最後の力を振り絞って、箱のふたが開けられるまでに、穴を広げた。
これで蓋が開く!
少年は、スコップを地面に放り出し、大きな箱のふたに手をかけた。
そして、蓋を思い切り、開いた!
その瞬間、夕日が地平線の下に沈み、
少年の叫び声が、森の中に響きわたった。
箱の中にあったのは、
・・・・・・
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と、これでおしまい・・
・・・なんだけど、これが、アメリカの雑誌に掲載されたとき、読者から、結末を募集した。
ちなみに、原作者の模範解答は、「2行で終わる」とのことである。
次回は、その模範解答を紹介しよう。
その前に、皆さんの結末を、コメントにつけてください。
(あ、知っている人は、書かないでね)