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2006年07月03日
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カテゴリ:映画・TV
死霊伝説 セーラムズ・ロット〈2006年9月15日までの期間限定出荷〉

「セイラムズ・ロット -- 死霊伝説」

本当は、原作の邦訳題名は「呪われた町」。

スティーヴン・キングが「キャリー」の次に書いたモダン・ホラー小説で、この1冊で私はキング・ファンとなってしまう。

上梓されたのは、1975年。なんと30年を過ぎてしまった。もはや、モダン・ホラーというよりかは、古典である。

その後、キューブリックの映画化で話題になった「シャイニング」は映画の出来はひどいものだったが、原作ではキングの代表作、人によっては最高傑作と呼ぶ人も多い。

「グリーン・マイル」「ショーシャンクの空の下で」とかのしゃれた小咄風な長編で話題になった時もあったが、ファンとしては真骨頂はやはり、スーパーナチュラル・ホラーであると確信する。
その中でも、この原作は私のキング入門書として、今まで読んだ全ての本のうちで100本の指に入れてもよい傑作である。

物語は、正当なヴァンパイヤ・ホラー。ある田舎町の幽霊屋敷に、正体不明の骨董屋が引っ越してきたことが発端となり、怪事件が起きていく。骨董屋がつれてきたのは、実は吸血鬼バーロウで、街中の人間に「吸血鬼」が伝染病のように蔓延していく。幽霊屋敷の暗い記憶に立ち向かうために帰ってきた作家と、悩める医師、ひとりの少年が吸血鬼退治にのり出すのだが・・・

日本では、小野不由美の大長編「屍鬼」が、この作品を下敷きにしているのはあまりにも有名。日本を舞台にして「呪われた町」を書いたらと言う、オマージュとして書かれており、ジャパニーズ・ホラー小説の代表作の一つであろう。
(ちなみに宮部みゆきの「クロスファイヤ」は、キングの「ファイヤスターター」へのオマージュ)

この「呪われた町」は、すでに一回「悪魔のいけにえ」のトビー・フーパーによって、3時間のテレビ・ムービーが作られたが、日本では、短縮版が「死霊伝説」という題名で劇場公開されてしまい、出来の悪さに原作も出来が悪いと思われてしまった感がある。
しかし、個人的には、後年DVDで発売された「死霊伝説・完全版」を見る限りでは、なかなか恐い描写も伝統的な作りで、ヴァンパイヤ映画としてはまあまあの部類に入ると思っている。

その作品が、数年前に再び3時間ドラマ化されたのが、この「セイラムズ・ロット -- 死霊伝説」である。

「死霊伝説」という、勝手な邦題が結局ここまで引きずられてしまったのは情けないが、やはり、内容はさすがにキングの小説のドラマ化で、力が入っている。

原作と違う設定では、現代の主人公ロブ・ロウの行動。携帯電話などの台頭といったところか。
ヴァンパイヤも、フーパー版では、「ノスフェラトウ」へのオマージュのような怪物デザインだったが、今回はドラキュラの品のよさを現代風にアレンジして、「ブレード・ランナー」や「ヒッチャー」でおなじみのルトガー・ハウアーが熱演している。

圧巻はやはり、原作でも読んでてうなってしまった「神父と吸血鬼の禅問答による戦い」、そして「千回も人を殺さなくちゃいけないのか」という登場人物の架空と現実を融合させるための台詞。

実際、吸血鬼退治だと言って、いくつもの吸血鬼の胸に杭を打って殺しまくったあと、警察がやってくれば、主人公は救世主どころか大量殺人犯になってしまうであろう、現実の壁を、悲しい結末が解決してくれている。

それも、またもともとの原作から30年経った今風なラストの付け方というわけであろう。





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Last updated  2006年07月04日 01時40分00秒
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