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Dec 4, 2006
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カテゴリ:魔法少女♪奈里佳
「うわっ!? 何、この混み具合は……」
 駅に着いた克哉を待っていたのはホームから溢れ出さんばかりの人、人、人。とにかく人だった。それもなぜか若い女性たちの姿がやけに目立っている。スーツ姿の男性たちもまばらにいるにはいるが、何となく肩身が狭そうにしているのは、まるで女性専用車両に紛れ込んでしまったかのような感覚なのだろう。
「こんな時間にラッシュだなんて変だよね」
 頭の中の奈里佳2号や遠くにいるクルルと魔法の力で会話するようになってから、克哉は何かあると自然に会話モードに入ってしまうようになっている。そんなわけで克哉の部屋の中でくつろいでいるはずのクルルに向かって、克哉は素直に驚きの声をあげた。驚きすぎて克哉の口からは実際に声が出ているので、独り言を言っているように見えるのだが、まわりの女性たちが騒ぐ『きゃいきゃい』とした声にかき消されてしまって全然目立たない。
(ああ、ちょっと待ってください。ふむふむなるほど。どうやら今日はドームでファイヤースターズというアイドルグループの公演があるので、そのせいで混んでいるみjたいですね)
 芸能方面にはまったく詳しくない克哉でも何度かその名前を聞いたことがある有名なロックバンドの名前を、クルルは口にした。
(また勝手に人の心を読んだでしょ。そういうことはやっちゃダメなんだよ)
 常識人な克哉であった。
(大丈夫です。個人情報までは読んでいませんから。ちゃんと法律は守らないといけませんよね)
 大真面目にふざけている雰囲気がありありと伝わってくる。もしも克哉が大阪の人間だったら、クルルのこのボケに対して気のきいたツッコミのひとつでも言うところなのだろうが、あいにくと克哉の出身も育ちも大阪ではなかったので、とりあえずため息をつくことしかできなかった。
(はあ~、そうじゃなくてね。……もういいよ。とにかく電車が着たから乗らなくちゃ)
 声を出さずにそう言いつつ、到着した電車に乗り込もうとした克哉だったが、声を出さないでいられたのはそこまでだった。
「うわっ! うわわわわ!!」
 圧倒的なまでの人の奔流が克哉の身体を車内の中へ、そして奥のほうへと押し流していく。通勤ラッシュを毎日体験しているサラリーマンやOL達にしてみたらごく普通の混み具合なのであるが、ラッシュ初体験の克哉にしてみたら慌てて声をあげてしまうのは、まあいたしかたないというところだろう。
 そういうわけで、もみくちゃにされながら最終的に克哉が落ち着いたポジションは、前後左右まわりすべてを隙間なく人によって固められた、身動きひとつできないポジションだった。
 しかし身動きできないということが大変なことの本質ではない。ホームの状況から予想してしかるべきだったが、克哉のまわりのうちその6分の5が女性だったのだ。男性はすぐ左横に陣取るサラリーマン風のおじさんだけで、残りの前後と右横、そしてその間の斜め方向すべてが若くて年ごろのぴちぴちなお姉さんだけだった。
 そのような状態の何が大変かというのは、若くて健康的でエネルギー溢れる肉体を持った男の子なら説明されずとも理解できるはずだ。そのような状況下において、溢れるエネルギーが若い肉体の一点に集中しないようにするには、とてつもない集中力が必要なのは言うまでもない。
 ちなみに克哉が置かれた絶望的でありながらどこかうらやましい状況のひとつは、克哉の背中に当たる感触にあった。克哉の真後ろには克哉よりもやや背が高いお姉さんが身体の前のほうを向けて立っているらしく、克哉の肩から背中の位置にかけて妙に柔らかで盛り上がった感触が押し付けられているのだ。
 さらに学生服を通しても背中に伝わるその感触もさることながら、やや右耳寄り首筋に吐きかけられる息が克哉の感覚を規則的に刺激しており、なにやらこう微妙な気持ちになってくるのを抑えようとしても抑えられない。
 そしてまずいことに克哉の正面には背面を向けたお姉さんがいて、克哉の身体のちょっとヤバイ部分がお姉さんのこれまた柔らかくも張りと弾力があるお尻に密着しているというおまけつきだ。
 魔力が充填された結果、奈里佳2号が覚醒して克哉のアソコを例によって部分女性化しているというならともかく、今の克哉はいくら女の子のようなかわいい顔をしていても、100%完全な男の子なのだ。状況は一見すると天国のようだが、その実態は地獄と紙一重だった。
(クルル~)
 というわけで、頭の中で情けない声(?)をあげる克哉だったが、もちろんクルルに相談したところで状況は何も変わるはずがなかった。
(なかなか面白い状況じゃないですか。頑張ってくださいね)
 クルルのやる気のなさそうな応援の言葉が、克哉の頭の中にむなしく響いたのだった。





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Last updated  Dec 5, 2006 12:05:23 AM
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