|
カテゴリ:仕事
帰国便。 全員が早めにチェックアウトを済ませたのでさっさと空港へ向かうことに。
点検やミールの搭載数、セキュリティチェックを全て済ませたのに、地上職員さんが来ない... 出発予定の1時間前だから遅れが出るとは思えないけど。 出発の45分前には搭乗を開始するようにとの通告が出ているから早めに出発できると思っていたんだけども、彼が搭載品の数や乗客数をまとめたレポートを持ってくるはずなのに、その彼が来ないから別の職員さんに頼んで搭乗を開始することに。 搭乗客にまぎれてやってきた彼。 『私の父さんに空港を案内してたんだ。』だって。 そんなの自分の勤務時間外にやれよ、と思ったけど、言ったところでどうにでもなるわけではないし彼なしで全て事を済ませようと、さっさと搭乗の続き。 乗客数130人。 ほぼ50%の搭乗率で空席が目立ちました。 全員が搭乗したのでドアクローズ。 定刻よりも30分早く出発し、しかもこのフライトの飛行予定時間は10時間10分だったのですが9時間で到着できることが判明。 機長が『さっさと行きましょ。』というので早く出発しました。 なぁーんの問題もなくフライトは始まりましたが、ミールサービスの時間になって私への乗務員コール。 『1Lです』と出たら、『私の食事、まだなの?』と機長。 お客さんにミールサービスしてる途中だから、と言ったら『さっきお手洗いに出たらオーブンが止まってたからすぐに食べられると思ったのに。』だって。 オーブンが止まってたのはお客さんのミールを調理し終わったからであって、彼女のために温めていたのではないのです。 『今サービス中だからちょっと待って』と言って電話を切りました。 サービスが一段落ついたところで彼女のミールを用意してると、ギャレーに出てきて『なんでこんなに時間がかかってるの?』 私は『だからさっき言ったとおりお客さんにミールサービスしてるし、その後のサービスの準備だってしなきゃならないんだから忙しいんです!』と言ってやりました。 私が機長に反抗するわけないと思っていた彼女はちょっと驚いた様子でしたが、私が次の作業にとりかかると操縦室へ戻っていきました。 彼女のミールを用意して(しかもすごく簡単に。 通常は色々と付け足したり、飾りつけするのに)操縦室へ。 さっさとミールを置いて出てきました。 そして休憩。 副操縦士さんがギャレーに出てきて『食事できてるかい? 忙しくない?』と聞いてくれました。 副操縦士さんはいつも私たちのサービス時間帯を避けてミールの注文をしてくださるので楽。 おまけをたくさんつけて、綺麗に飾りつけをして出してあげました。 食事が終わったら自分で食事の載ったトレーをわざわざ下げに来てくれます。 そのときに機長の話になって、周りにいたクルーが『機長は色々と細かいことにうるさい』と言ってしまったのですが副操縦士は笑ってました。 ほんとかい、と聞くので『私たちがミールサービスしてるときに限って色々と注文してくるし、オーブンが止まってるのすら確認しにくるし、何かにつけてケチつけてくるんです。』とお伝えしておきました。 彼が彼女にありのまま報告するわけじゃないし。 そしたらそばにいたC君が『だから皆ステイ中も全員で一緒に行動しなかったんだけどね』。 副操縦士さんも『1人で行動してたほうが楽だし、別便のクルーと一緒に飲んでるほうが楽だよ、そりゃ。』だって。 やっぱりね。 とにかく9時間のフライトで8人の客室乗務員、サービスは限られるし、ゆっくりとした中で余裕を持ってサービスすることができました。 クレームつけてくる人もまったく居なかったし、搭乗前に地上職員さんにいちゃもんつけてたとかいうお客さん達も、何の問題もありませんでした。 (地上職員さんが悪いんじゃないの?)と私は思ったんだけど... 素敵な人達ばかりで会話も楽しくはずみました。 フライトが終わって、この楓国西玄関口ベースの人達は全員自宅へ。 私と機長、副操縦士はホテルへ。 1時間早く到着できたから少しのお昼寝をしてから街の中心部へ出かけました。 バスで40分くらいかけてのんびりと。 以前の業界でお世話になった会社の人とお食事する約束をしていたのです。 3年ぶりくらいに会ったのに全然変わってませんでした。 お食事が終わった後ではまた別の友達に会う約束をしてたので軽く飲みに行き、ホテルに帰ったら夜11時。 明日は訓練のために楓国最大都市へ向かいます。 起床時間午前4時半... さっさと寝ることにします。 【終】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|