|
カテゴリ:空の上の出来事
お客様の搭乗前は私たちは機内の点検をしたり、搭載品の確認をする作業に追われます。
今日は追われまくりでした…。 というのも、新サービスが始まって以来、ギャレー内のカートの位置が変更になっていたり、搭載する品物が変更になっていたりと、ケータリングの会社にとってはややこしいのです。 で、ギャレー担当になったのはXX語が話せない乗務員。 うちの会社はXX語が話せなくても問題ないのですが、この花の都便には必ず何人かは乗っていることになっています。 ところがXX語の資格を持っているのは私1人という状態だったのです。 明らかにスケジューラーさんのミス。 誰かを呼ぼうにも、全員出払っているとのことで、搭乗客数もそれほど多くは無かったので特に気にせずにいたのですが、それがここに来てパンチを喰らうとは…。 ケータラーさんは何も知らない人でした。 さらにどのカートを降ろすのか、何を持ってこなければならないのか、何も知らないのです。 いくら説明してもわかった様子ではないので私がケータラーさんの仕事をすることに。 カートの中身を確認しながら私1人で進めていく方が断然早いので出発を遅らせることなく進むだろうと思ったのです。 どうにか前方ギャレーを終了。 そして後部ギャレーへ。 機内放送で機長が『Jets、搭乗開始しないと遅れるよぉ~』。 『じゃあ、ほかの人に搭乗してもらって! 忙しいからそっちまで手が回らない!』と私。 そして搭乗開始。 ゆっくりと搭乗が始まりましたが、後部ギャレーは大忙し。 降ろすカートもたくさんあるし、さらに搭載されるものもたくさんあるのにケータラーさんは何もわかっていません。 で結局は私。 会社の規則でケータリングのトラックには乗ってはいけないことになっているのですが、そんなことを言っていたらいつまでも終わらないので、トラックと機体を行ったり来たり。 それも出発を遅らせることなくスムースにするためのことなので、もし何か言われたら『じゃあケータリングが6時間かかってもいいんですね?』と答えることにしました。 戦場のように『これはここじゃない!』 『このカートはあっち!』と私、そしてもう2人のクルーと叫びながら、どうにかケータリング終了。 お客さんの搭乗はすでに終了していました…。 荷物の収納状況の確認をしてもらって、前方へ行ったらMちゃんがお客さんの足の怪我の手当てをしていました。 『搭乗する階段で転んだんです。』とのこと。 でもケータリングの作業でつかれきっていた私はお客さんのことよりもさっさと飛行機をゲートから離すことに集中していました。 機長に報告していよいよ離陸。 忙しすぎて1日が終わったような疲れが出てきました。 サービスに入ってからようやく客室の様子を見ることができました。 そしたら、どうも見覚えのある顔が。 先ほど階段で転倒したお客さんをどこかで見たような…。 よぉ~く考えてみても有名人ではないし…。 飲み物のサービスをする段階でお客さんが『君、また同じフライトになったねえ』と声をかけてきてくださいました。 そう、去年4回ほど、この花の都便を利用していただいたお客様だったのです。 しかもその4回とも私のフライトだったのです。 さらには4回とも同じ座席! 『君のフライトを希望したんだよ。』とおっしゃっていただきました(本当はできません)。 冗談の好きなお客さんで、楓国のXX語のアクセントや独特の言い回しもわかってくださるので会話もスムースにいくし、いつも笑顔で疲れた様子を見せないし、飲み物の注文を聞いても『水があればいいから、大丈夫。』というような調子なのですが、今年80歳なので私としてはかなり気になるムッシューです。 フライト時間が長いので会話もできるし、なによりもうちのサービスを気に入って利用していただいているので超VIP。 聞いてみたら帰りは私のルームメートが担当するフライトでした。 『君の会社は安いよ。 ほかと比べてもサービスの質を考えたら安すぎだよ。』とおっしゃっていただいたうえに、今年はあと2往復するとか。 息子夫婦が、私のベースから車で2時間の星条旗の国の街に住んでいるので会いに行くそうです。 でもその街には花の都からの直行便があるんじゃ?と思ったので聞いてみたら『ビジネスクラスで1往復するなら君の会社で3往復したほうがサービスも良いから』。 まぁ、ありがたや。 そんなこんなでムッシューとしばらく会話をして、サービスをこなしたら到着。 なんとも時間がたつのが早かったフライトでした。 もちろん帰宅後はシャワーを浴びてすぐに熟睡です。 【終】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.07.18 17:50:29
コメント(0) | コメントを書く |