第80回センバツ大会、近畿地区出場校紹介
第80回選抜大会の出場36校を地区ごとに紹介していきます。第6回目の本日は近畿地区です。この地区は出場6校中、選抜優勝経験があるのは2校、夏では4校と実績と伝統のある高校が選出された。地区出場校選抜(春)秋季地区成績勝敗、チーム成績出場回数最高成績近畿東洋大姫路(兵庫・私立)5年ぶり7度目4強優勝, 13-2 .285本2 盗19 防1.67平安(京都・私立)5年ぶり36度目4強準優勝, 9-1 .344本5 盗12 防2.63履正社(大阪・私立)2年ぶり2度目1回戦ベスト4, 10-1 .327本1 盗16 防1.94智弁和歌山(和歌山・私立)2年ぶり8度目優勝ベスト4, 8-2 .343本8 盗11 防2.41天理(奈良・私立)3年ぶり18度目優勝ベスト8, 6-1 .335本2 盗14 防2.36北大津(滋賀・県立)3年連続3度目2回戦ベスト8,7-1 .350本3 盗19 防2.84東洋大姫路(兵庫)4強入りした03年以来、5年ぶりの選抜出場。76、79年にも4強入りしている。69年夏に甲子園初出場を果たし、77年夏には全国制覇をしている。近畿大会では、23年ぶりの優勝。明治神宮大会では、王者・常葉菊川に食い下がるも惜敗。主将、4番でエースの佐藤翔太は、チームの大黒柱。投手として選抜出場選手の中でもトップクラス。最速144キロの直球に、キレの良い130キロ台のスライダーと100キロ台のチェンジアップが武器。特に、チェンジアップが直球との緩急をつけ、打者を翻弄する。近畿大会では、全4試合中2試合を完封。2番手には、横手投げの入海がおり、佐藤とはタイプの違う投手。打線でも、佐藤が4番に座り中心的存在。近畿大会4試合で、12打数8安打7打点と暴れまくった。3番・亀井は、長打力があり、勝負強い。◇東洋大姫路の秋の戦績 ▽秋季兵庫地区予選(西姫路地区)1回戦 ○ 3-2 姫路商準決勝 ● 2-4 姫路南敗者復活3回戦 ○ 2-0 姫路西第3代表決定戦 ○ 8-3 琴丘 ▽秋季兵庫県大会1回戦 ○ 4-2 市川2回戦 ○ 11-0 村野工3回戦 ○ 5-0 伊丹西準々決 ○ 5-3 市立尼崎準決勝 ○ 7-1 神戸国際大付決勝 ○ 3-0 報徳学園 ▽秋季近畿大会1回戦 ○ 2-0 八日市南準々決 ○ 6-4 奈良大付準決勝 ○ 2-0 履正社決勝 ○ 6-2 平安 ▽明治神宮大会準々決 ● 3-7 常葉菊川平安(京都)今年は野球部創部100周年で、4月には「龍谷大付属平安」と校名変更する。「平安」としては最後の甲子園となる。選抜はベスト4が最高だが、夏は全国制覇が3回。出場回数は、春夏含め65回を誇る古豪。昨秋の京都大会準々決勝から近畿大会初戦までの4試合連続を含め、公式戦10試合中、5試合で1点差ゲームをものにするなど、粘り強い。投手は、川口が先発し、抑えの松田歩が締めるという継投パターン。エース川口は、130キロ台の直球に縦横の2種類のカーブ、スライダー、チェンジアップ、スクリューと多彩な変化球を投げる。公式戦10試合すべてに先発し、勝ち気な投球でチームを引っ張る。186cmの大型右腕・松田歩は、延長14回の熱戦となった京都大会準々決勝の立命館宇治戦や、近畿大会準決勝の智弁和歌山戦で好リリーフを見せた。打線は、スイッチヒッターを含め左打者が6人いる。チーム打率.344と強力。俊足で、共に4割以上の打率を残した丸本、浮気の1,2番コンビが出塁し、中軸へ繋げる。中軸は、公式戦の打率.515の勝負強い4番・小林、3本塁打を放った児玉らが控える。◇平安の秋の戦績 ▽秋季京都地区予選2回戦 ○ 9-0 北桑田決勝 ○ 8-1 伏見工 ▽秋季京都府大会2回戦 ○ 4-2 桂準々決 ○ 11-0 立命館宇治準決勝 ○ 5-3 福知山成美決勝 ○ 7-1 西城陽 ▽秋季近畿大会1回戦 ○ 5-4 報徳学園準々決 ○ 9-4 郡山準決勝 ○ 7-6 智弁和歌山決勝 ● 2-6 東洋大姫路履正社(大阪)甲子園は97年夏と06年春に出場し、いずれも初戦で惜敗した。甲子園初勝利を目指す。近畿大会準々決勝の北大津戦では、9回裏に3点差を追いつかれたが、延長12回に勝ち越して勝利し、ベスト4入りを果たした。エース左腕・三村は、最速139キロの直球を丁寧にコーナーを突く投球で、打者を翻弄する。県準々決勝以降、全ての試合に先発。右腕の石井は技巧派でスライダーが武器。公式戦19回1/3を投げ、防御率0.93と好リリーフを見せた。他に、140キロ超の直球を投げるボイランが控える。ボイランはアイルランド人の父をもち、中学時代は槍投げの選手だった。昨秋は不調だったが、選抜で復調を期待。新2年生の宍野もいて投手は4名。打線は、公式戦11試合で1本塁打だったが、83得点を叩き出した。吉田主将、稲垣の1、2番コンビがチャンスをつくり、吉川、山本らクリーンアップが走者を還すのが必勝パターン。◇履正社の秋の戦績 ▽秋季大阪府大会1回戦 ○ 7-0 池島2回戦 ○ 11-1 佐野3回戦 ○ 7-3 清教学園4回戦 ○ 10-0 清友5回戦 ○ 9-2 堺東準々決 ○ 7-0 大産大付準決勝 ○ 15-5 東海大仰星決勝 ○ 4-0 PL学園 ▽秋季近畿大会1回戦 ○ 3-1 県和歌山商準々決 ○ 10-8 北大津準決勝 ● 0-2 東洋大姫路智弁和歌山(和歌山)夏春連続の甲子園出場。センバツは85年の初出場以来、7回出場。94年の第66回大会で初優勝した。夏は87年以降15回出場し、97年と00年には強力打線で全国制覇した。伝統的な強力打線は、選抜歴代最高の1試合チーム24安打するなど、数々の甲子園でのチーム記録を持つ。高嶋監督は、通算26度目の甲子園出場で通算勝利は51勝で歴代2位。トップの中村監督(元PL学園)まで、あと7勝に迫っている。昨夏は、仙台育英の好投手・佐藤由(現東京ヤクルト)の前に17三振を喫して、無念の初戦敗退だった。投手陣は力強い投球が持ち味の芝田と、伸びのある速球でコースをつく岡田(新2年)の両左腕が軸。強心臓のエース岡田は、130キロ台の直球とカーブ、スライダーを投げる。横手投げの林も控える。主に岡田が先発し、芝田がリリーフする継投パターン。伝統の強打は健在。新チーム結成後の公式戦の打点は、1試合平均で7.2。打線を引っ張る4番・坂口は、近畿大会で3試合連続本塁打を放つなど抜群の長打力を誇る。高校通算14本塁打。クリーンアップの勝谷、坂口、芝田は昨年から不動。下位には勝負強い田甫淳らが控え、切れ目がない。部員は3年生9人、2年生11人と少数精鋭で甲子園に挑む。◇智弁和歌山の秋の戦績 ▽秋季和歌山県新人戦2回戦 ○ 13-0 海南3回戦 ○ 6-0 新宮準々決 ○ 9-1 県和歌山商準決勝 ● 9-10 貴志川(新人戦ベスト4の為、1次予選免除) ▽秋季和歌山県大会(県二次予選)準々決 ○ 11-0 和歌山工準決勝 ○ 5-3 日高中津決勝 ○ 7-1 県和歌山商 ▽秋季近畿大会1回戦 ○ 6-2 東海大仰星準々決 ○ 6-5 天理準決勝 ● 6-7 平安天理(奈良)3年ぶり18回目の出場で奈良県勢のセンバツ出場も3年ぶり。今年で学校創立100周年となる。選抜初出場は54年で以来過去17回出場し、97年に初優勝。近畿大会1回戦のPL学園戦は、12安打を奪い快勝し、8強入りを決めた。投手陣は、複数いて継投で乗り切る。公式戦での完投は、PL学園戦の井口のみ。エース格の右腕・矢之は、最速143キロの直球とスライダー、フォークを投げ、三振が取れる投手。188cmの長身右下手投げの井口は、カーブ、スライダー、カットボール、シンカーなど多彩な変化球を投げる。安定感のある本格派の田淵、右腕の中村など継投する投手が鍵となる。奥田、古田は昨夏でもクリーンアップを任されるなど、打線の中核を担う。他に、鈴木、下司、山下など勝負強い選手達が控える。山下は守備の中心・遊撃手の昨夏先発メンバーで堅守。他の内野陣も守備は上手い。◇天理の秋の戦績 ▽秋季奈良県大会2回戦 ○ 9-0 帝塚山3回戦 ○ 8-4 橿原学院準々決 ○ 5-0 畝傍準決勝 ○ 5-4 郡山決勝 ○ 9-2 奈良大付 ▽秋季近畿大会1回戦 ○ 6-3 PL学園準々決 ● 5-6 智弁和歌山北大津(滋賀)3年連続の選抜出場で、公立校の3年連続出場は近畿勢としては箕島(和歌山)以来29年ぶりの快挙。今大会36校の中でも3年連続は北大津だけで、昨夏の甲子園優勝校・佐賀北(佐賀)のように「公立旋風」に期待がかかる。近畿大会1回戦の西城陽戦では9回サヨナラ勝利、続く履正社戦では延長12回の末、敗れたが8強入りを果たした。昨春の選抜を経験したエース右腕・河合は、3種類のスライダーが武器。緩く大きく曲がる、縦に落ちる、鋭く曲がるスライダーで勝負。公式戦では62回を投げ、防御率2.47と安定感は抜群。1年春から公式戦での経験を積んでいる。控えるのは、2年生右腕・濱口。最速は133キロでカーブ、スライダーを投げ、マウンド度胸がある。投手をリードする金田は、肩の強さや送球の早さは全国トップレベルで守備陣を引っ張る。打撃が特色のチームで、一度火がつくと止まらず、公式戦のチーム打率は.351と高打率。近畿大会では西城陽との初戦で6点、履正社との準々決勝で8点を挙げるなど得点力が高い。打率6割を誇る龍田、主将・石川、金田のクリーンアップは長打力がある。50mを6.0秒で走る1番・浅見はチーム一の俊足で、他にも保木、石川、岡田ら俊足ぞろいで機動力を絡める。◇北大津の秋の戦績 ▽秋季滋賀県大会1回戦 ○ 9-4 石山2回戦 ○ 1-0 玉川3回戦 ○ 9-3 水口準々決 ○ 4-3 近江準決勝 ○ 6-1 八日市南決勝 ○ 8-7 綾羽 ▽秋季近畿大会1回戦 ○ 6-5 西城陽準々決 ● 8-10 履正社高校野球