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Dec 25, 2009
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カテゴリ:カテゴリ未分類
幻のクリスマスプレゼント。

どうも、悔しいクリスマスを過ごした管理人です。
いえ、別に嫉妬とかじゃなくて。



ある日、自分は何となく「ドクターイエロー」の走行予想日が掲載されているサイトに行った。

ドクターイエローとは、新幹線の線路の歪み、架線の状態などを検測しながら走行し、軌道・電気設備・信号設備を検査するための事業用車両の事だ。
正式名称は「新幹線電気軌道総合試験車」である。
ドクターイエローという愛称は、一般乗客が誤って乗り込むことのないよう、車体が黄色に塗装されている事に由来する。
このドクターイエローは東海道・山陽新幹線区間をおおよそ10日に1回の割合で運行している。
ただ、このドクターイエローの運行というのはJR内の企業秘密であり、それだけに確実な運行日時というのは基本的に外部の人間は知らない。
つまり、走行予想というのはあくまでも「予想」である。
しかし、ゲテモノ好きな自分はその「予想」に賭けてみる事にしたのだ。

そんな訳で、そのサイトを見ていると、予想では12月25日、丁度クリスマスの日にドクターイエローは東海道新幹線下りを走るようだ。
「これは見に行こう」と自分は単純に考えた。

そして色々調べながら、ドクターイエローが自分の地元を通過するおおよその時刻を弾き出した。
新富士駅通過が12:31。新富士までの距離を考えても確実に1時までには自分の地元を通過するはず、と考えた。
この日はバイトがあったわけだが、変更で午後2時からにしてもらった。これなら間に合う。

前日も、その前の日も、撮影場所を下見したり、あれこれ考えていた。
今度こそ、絶対にドクターイエローを写真に収めたい。
自分はこれまでに2回、ドクターイエローを生で見たことがある。しかしその時はカメラも持ってないし、何しろ突然現れたのだ。撮影などまず出来るはずがなかった。
だが今回は下調べをしてある。間違いなく行ける、と自分は思った。
ただ…予想が外れてなければ、だが…

当日、朝起きて朝食をとる。
冬休み課題を少しやって、やがて昼になった。
昼食を食べ終えて12:15頃。まずい、そろそろ行かないと間に合わない。
自分は家を飛び出し、自転車を飛ばしに飛ばした。
息を切らして撮影場所に着いたのは12:40頃。間に合っただろうか、いや、一足遅れたか…
そんな事は分からない。とにかく自分はカメラを構えた。
しかし、5分待っても10分待っても、目の前に現れるのは白色の新幹線ばかり。黄色は来ない…
いい加減に来ても良いだろう、と思ってもドクターイエローは姿を現さない。
しかし、諦め切れなかった。
何故なら、これは自分にとっては今年最後のビッグイベント。何としても、せめて見るだけでも良いからと願い続けた。

1時が過ぎた―
まだ、ドクターイエローは来ない…
駄目だったのか…?
それでもまだ諦められずに、ぐずぐずとその場所に留まっていた。
だが、1時10分頃だろうか、目の前で白い新幹線同士のすれ違いを見て、諦める事にした。
撮影場所を去って、バイト先へそのまま向かうときも、新幹線の沿線を走っていたが、最後の最後まで、白い新幹線しか見られなかった…

何故だろう。やはりほんの数分のタイムラグで会えなかったのか?それとも、予想が外れてしまっていたのか…?
そんな事、今更あれこれ思ってもどうしようもない、と思った。
何故なら、これが現実。どんなに願っても否定できない現実だからだ。

当然、悔しさの方が大きかった。
だが、ドクターイエローとはそういうものなのかもしれない。
人間の感情や理論に支配されない、幻のままに走り続ける新幹線。
変化の無い、平坦な現実の中に存在する非現実。
自分にとってはそれこそが、ドクターイエローの姿なのだろう。
そういうものだから、ドクターイエローはある意味、人を騙すのが得意なのかも知れない。
今回の自分は、まんまとドクターイエローに騙された。
それでも自分は今回、ドクターイエローのそんな一面を知る事が出来た気がする。
そういう意味では、充実していたのかもしれない。

それなら、いつか必ず会おう。幻の新幹線、ドクターイエロー。





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Last updated  Dec 25, 2009 06:14:57 PM
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