けるっちイズム

我が家の猫が激しくにおいを嗅ぐその足の持ち主は

実は私の父である。

ご覧の通り、彼は・・・

ほぼ黒板五郎である。

彼は北の国からを見たことがないので、

おそらく北海道に残る数少ない

天然の黒板五郎であると思われるわけで。

「子供がまだ食べてるでしょうが～！！」

とラーメン屋の態度の悪いお姉さんに文句を言ったことはないものの、

行動パターンはほぼ黒板五郎なわけで。

父は私が子供の頃、庭にスケートリンクを作り上げた。

庭といっても庭園ではない。

猫の額ほどの庭にスケートリンクを作り上げた。

そして、完成したスケートリンクで

私と妹は仲良く遊んだ。

翌月、莫大な水道料金が請求され、

生まれて初めてＫＹな母に怒られている父を見た。

子供の頃、おそらく業務用と思われる太いホースにペンキで黒く塗り、

それを屋根に這わせて手作りの温水システムを作り上げた。

電気やガスよりも高くついたらしい。

他にも色々作ったり壊したり。壊したり作ったり。

そういえば、鯉を飼ったことがあったよね。

庭にどっからか貰ってきたステンの浴槽を埋めて

「ほぉら～子供ら、池ができたぞぉ～」

ってすごく得意そうだったよね。

その１週間後、浴槽の栓を近所の子供が抜いちゃって、

鯉が全滅したこともあったよね。

今思えば笑えるけれど、昔は笑えなかったわけで。

皆はすごいねと言ってくれたりもするけれど、

黒板五郎を父に持つと大変なわけで。

始終彼は思いつきで色んなことをしてくれるわけで。

しかも行動派なので、決めたら即実行。

ついて行くのに大変だったのです。

そんな彼は実は猫がきらいなわけで。

正確には猫の毛が嫌いならしい。

でもなぜか猫は夢中なわけで。

おそらく父は五里霧中なわけで。

拝啓・・・母さん。

今日父さんが突然訪ねてきたわけで。

なんでもお宅のリフォームで出た廃材を持ってきてくれたらしいのです。

「薪にしたらいいべさぁ」という父は昔の行動力のある頃よりも

はるかに年をとったようで・・・

でも・・・

庭を見ながら

「ここにスケートリンク作ってみねぇか？

子供ら喜ぶべ」

発想は昔のままのようで・・・。

子供を喜ばす前に我が家の経済状況を考えてほしいわけで。

ってか母さん・・・

遊び歩いてないで、 

父さんを何とかしてください。

でないと、明日にでもスケートリンクを作るために道具を揃えて

家にやってきそうで怖いわけです。