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これは アンチョビが何なのかを知らないまま アンチョビを買いに行き 缶詰の棚の前で30分近く悩んだ
けるっちの物語である
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けるっちは 缶詰が並ぶ商品棚の前で一人焦っていた
シフォンケーキが焼きあがる30分のうちに アンチョビを買って帰る予定だった 卵や牛乳や豆腐を買うのと同じくらいの軽い気持ちだった
胸に熱いものが込み上げる
いったい
いったい
アンチョビって何なのだろう?
何かの缶詰であるのは確かだ
けるっちの指が缶詰の棚を丁寧にはっていく
しかし、見つからない
アンチョビというものを食べたくてレシピを選んだ
なんとしてでも探し出さなければならない
しかし、眠くてグズリはじめたカートの2号をほっとく訳にもいかない
けるっちは静かに目をつむった
そして決断した
『よし、アンチョビのようなもので代用しよう』
けるっちは牛肉の大和煮やさんまの蒲焼の缶詰の前で
全てを良しとした
探し始めて20分がたっていた
ここで新たな問題が発生した
アンチョビを知らないけるっちに
アンチョビのような物が想像できなかった
アンチョビとはいったい何なのか
記憶の綱を手繰り寄せる 1度聞いた事があったはずだ
しかし
頭に浮かぶイメージはどれもモザイクがかかっていた
それはまるで、みの●んたの番組のフリップボードのようで
苛立ちを増大させた
思い出せ
思い出せ
例えこのスーパーの棚の前で力尽きるとも
アンチョビ
アンチョビ
材料は何だ?
色は?
形は?
缶詰であってるのか?
パスタの棚じゃないのか?
それともオリーブオイルの棚か?
もうすでにオリーブオイルの棚もパスタの棚も見た
棚の前で顎に手をあて悩むけるっち
2号は眠くて泣き始めた
その時
けるっちの脳裏に何かが浮かんだ
い
い
いわし
奇跡が起こった
生理的な呆けが始まっている
聞き違い、言い間違い、勘違い、の塊だった
けるっち3●歳2児の母が
奇跡を起こした瞬間だった
棚の片隅でオイルサーデンなるものが 微笑んで、けるっちを見ていた
けるっちは
全てを良しとした
けるっちは家路についてすぐにパソコンを開いた
Wikipediaでアンチョビを開く
なんと素晴らしいのだろう
アンチョビは手に入れられなかったが
アンチョビのことは良くわかった
なにより スーパーの棚の前で力尽きることもなく アンチョビの材料を思い出した事に喜びを感じていた
また目標ができた
今度こそ
大きなスーパーに行き
アンチョビを手に入れよう
そして味わうのだ
その求めて止まなかった熱い思いとともに
その時
訪れるであろう
達成感を
けるっちの人生最高の喜びとしよう
と、いうことを考えながら作ったのが
アンチョビポテト
のようなもの
でした
ひたすら続く
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