テーマ:本のある暮らし(3285)
カテゴリ:ミステリー
実は訳あって、僕は『Rの刻印』の逮捕状を発送することを断念しようかなぁ、なんて思い始めてるんだ。
でも、まぁ訳ったって、主な理由はギブアップなんだけどね(^_^;) そんなんで、もう思いついたことは何でも言ってやろうと思うんよ(^。^) で芳川光葉の「ビバルディ証言」についてなんだけど、 「芳川光葉―犯人説」をとってる人にとっては、この「ビバルディ証言」は ”「スープレックスクルーズ」のラウンジに居たというアリバイ作りのために嘘をついた”とか ”別の場所から光葉自身が伊野部を呼び出すために電話をかけたから着信音を聴けなかった”みたいな事でお考えなんだと思う。 でもね、この「ビバルディ証言」が事実と違うってことは、この本を一度読んだらほとんどの人は気がついたと思うんだよね。 だけど、事実と違う証言をしてるのは光葉だけだから光葉が犯人だなんて、そんな簡単で良いの?って思っちゃうんだよな。 で、「芳川光葉―犯人説」をとらないとすると「ビバルディ証言」が故意の嘘ではないことを説明しなきゃいけないんだよね。 あの時の情景なんだけど 『~ダンスタイムも佳境に入り、会場内で来場客たちは入り乱れた。その時、ディスコサウンドに紛れてどこかのテーブルで携帯の着信音が鳴り響いた。数名が誰の携帯が鳴っているのかと見回した。』 これさぁ、かなりの喧騒の中だよね。 だいたいディスコサウンドが鳴っててみんなが盛り上がってる状態だよ。 実際にそのディスコサウンドが何デシベルぐらいで鳴り響いてたかは書いてないけど、チークタイムでバラードが鳴ってるって訳じゃないんだよ。 ディスコサウンドだよ! そんな携帯の着メロが何の曲かなんて近くの人しか聞き取れないに違いないよ。 近くに居たのは榎田と輪島だけなんだ。 だから 『近くにいた榎田が一瞬、意外そうな顔をして伊野部を見た』となってるでしょ。 近くにいた榎田は、伊野部の携帯の着信音は「ビバルディの春」だという頭があるから意外に思ったんだ。 『私はその時ダンスフロアで踊っていました』と証言してる光葉は、まさに喧騒の真っ只中にいたんだよね。 伊野部の携帯が鳴ってるのだから「ビバルディの春」だと勝手に思ってしまったのかもしれないよ。 「アンクの書」の中で伊野部は携帯の着信音を 『じゃあ『ビートルズ』にでもしておきますよ。』と言ってるよね。 実際にビートルズにしたかどうかは分からないけどビートルズの曲にしたとしよう。 でね、ビートルズの曲というのは、ハンブルグ時代のドイツ語のものとかも入れると220~230曲ぐらいあるんよね。 でも、まぁビートルズのオリジナル曲だと誰もが認めると思う曲だけでも200曲ぐらいはあると思う。 で、その中にはクラシックからコード進行をパクッタものや、ビバルディの春みたいに弦楽四重奏のものやバロック調のものもあるんだ。 でね、ディスコサウンドの大音量の中でかすかに聞えて来て「ビバルディの春」と思ってる人の耳にはそう聞こえてしまいそうな曲ってないだろうか?って考えてみたんだ。 「エリナーリグビー」 「イエスタデイ」 …なんかは弦楽四重奏だからありえるかとも思えるんだけど曲調が違うからダメかもな…。 「ペニーレイン」 …の間奏なんかは、ピッコロトランペットだから音質は全然違うけど、曲調はちょっと面白いかとも思う。 「オブラディ・オブラダ」 …はイントロのリズムがちょっと「ビバルディの春」っぽいかな、なんて思う。 大きな音量に負けてる小さな着信音は、音程などは分からなくてビートみたいなリズムぐらいしか感じられなかったとも考えられるんじゃないかと思うんよ。 『伊野部吾郎はジャケットに入れた携帯に気づいた。ジャケットは椅子の背に掛けてあった。伊野部は携帯を掴み取り、通話ボタンを押して電話に出た。』 伊野部が電話に出たときの状況はそんなふうに書いてある。 これだと、割合すぐに電話に出てる感じだよね。 だったら、着信音はイントロしか鳴ってないってことも充分考えられるし 僕は、伊野部は着信音を「ビバルディの春」から「ビートルズのオブラディ・オブラダ」に変えたんだと思う。 で、そのイントロだけをディスコサウンドに合わせて踊りながら聴いた光葉には、思い込みもあって「ビバルディの春」に聴こえてしまっても全然不思議じゃないと思う。 その後、光葉がマネージャーの輪島あたりから、伊野部の携帯の着信音が「ビバルディの春」じゃなかったってことを聞いたりしたらびっくりしただろうけど、 「オブラディ・オブラダ」のイントロを聴かされたら、 ”あっ!これだったかもしれない…”って言うんじゃないかな(^^) そもそも、伊野部が自らセントジョセフ号に乗り移ったとするならば、伊野部が消えてから深夜にセントジョセフ号がエドフ港を出港するまでの時間帯のアリバイは意味無いと僕は考えてたんだ。 だから逆に、この時間帯に唯一完璧なアリバイのある榎田と輪島を疑って推理を進めた次期もあったもんな。 特に「輪島亮次」については、かなり気にいった「NILE R」=「輪島亮次」をでっちあげた時もあったもん(^^♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ミステリー] カテゴリの最新記事
|
|