テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:ミステリー
前回の記事を否定されるようなたくさんのツッコミを期待したんだけれど、それも無かったので、この本の中の解かなけりゃぁいけなかった最大のトリックは、やっぱ前回の記事の内容なんじゃないかという確信を持つにいたったよ。
その前回の記事はこちら。 今まで書いたこととダブっちゃうところもあるけど、もう一度このトリックの意味というか、作者の意図を整理しながら書こうと思う。 「36 カルナック神殿撮影前夜(270ページ)」 2008年3月20日 ―― その271ページ真ん中過ぎの記述↓ 《夜七時、辰平はマンションの管理人に息子であることを告げて昇平の部屋を開けてもらい、そこへ麻子を呼んだ。》 この事を 「作者のミス」とか 「見雲間の勘違い」 とするなら、謎解きの手懸りとなる作中のどんな「言葉」も「行動」も、「ミス」とか「勘違い」で潰されたとしても文句を言えないもんね。 だから、この事実を表現されてないようなアリバイ表の読み方をしても意味がないと思うんだ。 《夜七時~》の事を表現できてないアリバイ表の読み方をして「光葉」だけアリバイが無いとしても意味が無いと思う。 だからね、一見すると「光葉」だけがアリバイがないように見せかけたアリバイ表こそが、僕は作者が仕掛けた最大のトリックだと思うんだ。 で、そのトリックを破る鍵が《夜七時~》の記述だったって訳だ! この事からしても「光葉」こそがミスリードだったって事を今は確信するに至ったんだよね。 だったら『光葉のビバルディ証言』はなんだったんだって事になるけど、その事は前に書いた記事『Rの刻印』芳川光葉の「ビバルディ証言」について。に詳しく書いたので見てやって(^^♪ それと、その記事を書いたときには気がつかなかった傍証をもう二つ書くね。 この時の情景描写に 「その時、ディスコサウンドに紛れてどこかのテーブルで携帯の着信音が鳴り響いた。数名が誰の携帯がなっているのかと見回した。」と書いてある。 これさぁ「数名」って書いてある。 たったの「数名」だよ。 近くにいた関係者は榎田と輪島と、それに本人の伊野部の3人でしょ。 「数名」ってんだから、7名ぐらいまでの人数だと思うんよね。 一桁なのは間違いないけど8名とか9名とかだったら「10人近くが」みたいな表現になったと思う。 だとしたら、7名ぐらいから関係者の3名を引くと4名ぐらいにしか目だった音としては感じなかったってんだから 「私はその時ダンスフロアで踊っていました」って光葉に、どれぐらいの音量で聴こえたかって考えると、僕の前に書いた『Rの刻印』芳川光葉の「ビバルディ証言」について。は、ますます、さもありなんって気がしてきたよ。 それと、もう一つ。 『近くにいた榎田が一瞬、意外そうな顔をして伊野部を見た』って記述! これね、作者はどうして伊野部の携帯の着信音を聴いて「意外そうな顔をした」のを「榎田」って人にしたと思う? 「榎田」って、この物語の中では目立たない人物なんだけど、この人、「関南テレビの音声担当」なんだ! テレビ局の音声担当なんだから、聴覚については普通の人より優れてると考えられるだろうし、その鳴ってる曲名を聞き分ける力も勝ってると考えても構わないよね。 なんせ、毎日ヘッドセットをつけて、NGな音声が紛れてないかの音声チェックをするのが、この人の仕事だろうからね! そんなんだから、紛れた音を聞き分けるということに関しては、「榎田」一人がプロなんだ! だから、伊野部の携帯の着信音がビバルディと違ってて、ほかの曲になってた事に気がつくことが出来たのは「榎田」だけだったのかも知れない。 わぁ~!! 書いてるうちに、確信から超確信に変わってきたよ!(^^♪ Q.E.D.証明終了 って、浮かれてられるのも解決編が送られて来るその日までだろうから、せいぜい今のうちに浮かれておこうっと(^^♪ だけど、アリバイ表の読み方がやっと分かったところだし肝心の犯人を「栗山」に特定する推理の構築はまだ出来てないんだけどね(^^ゞテヘッ ミスリードのアリバイ表の読み方をするともっとも犯人足り得なくなってしまう「榎田」が、逆にもっとも怪しいって事もいえるしね。 残り少ない解答編の発表の日まで、せんぞ考えてみようと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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