テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:ミステリー
(その一)から続く。
[4]伊野部の計画に対して榎田のとった行動 22時40分に伊野部が電話を装ったアラームで席を立ったあと、榎田は手洗いに行くような感じで席を外し伊野部の部屋へ行き伊野部と共に花瓶を窓の手すりにぶらさげたあと伊野部を眠らしロープでぐるぐる巻きにして花瓶に押し込んだ。 そして伊野部の仕掛けの道具のはさみやロープをポケットに詰め込みラウンジに引き返し輪島と共にセント・ジョセフ号に引き上げた。 348ページのアリバイ表との合理性は過去記事の『Rの刻印』―栗山犯人説―にアリバイ表の見方を書いてる。 「伊野部の逃亡計画」で書き忘れたけど、伊野部の計画ではマリカに電話を掛けて窓にぶら下げた花瓶を落下させるのはエスナの水門を過ぎた直後だったと思う。 エスナの水門を過ぎてからナイル川に落下したとすれば死体が上がらなくても地中海まで流れてしまったとも考えられるだろうから逃亡計画として具合がいいんだ。 髑髏のイラストが書いてあった地図はエスナ付近というぐらいしか分からない大まかなものだったもんね。 榎田は、もしも死体が上がらなければ伊野部が姿を消した直後にエドフを出港したセント・ジョセフ号の方に疑いが向くのを防ぐためにも、死体は発見される必要があったために確実に死体が上がるようにエスナの水門手前にスープレックスクルーズが停船中を狙ってマリカへ電話を掛けた。 三重構造にしてセント・ジョセフ号に持ち込んだトランクの中の赤茶色のトランクに伊野部から預かった盗掘品や密輸品を入れて三階の中央階段脇に早い目に出しておいた。 伊野部を眠らせてスープレックスクルーズに残してきたために余ってしまったもう一つのトランクは自分のトランクに入れて下船した。 そして、最後の締めくくりとして伊野部の計画通り伊野部の携帯を持って太った男に変装して赤茶色のトランクを受け取った。 とにかく僕がどうしてももやもやしてた赤茶色のトランクには、伊野部の逃亡資金となるものが入ってたわけで大金にばけるものだったので犯人は捨てることが出来なかったんだ!! どうして、こんな危ない物を持ってうろうろしてたのかが、ずっと分からなかったんだけど説明がついたよ。 [5]その他の犯行の事をさらっと。 バンダル殺害については、榎田は ↑の取り消し線の部分はまーちんさんに「バンダルの巨体の事、死後硬直の事、催眠スプレーの痕跡の事」などから違うだろうという指摘をしていただき即座にそのとおりだと思い赤字に訂正しました。(2月27日18時36分訂正) 350ページのアリバイ表との合理性は過去記事の『Rの刻印』―栗山犯人説―に書いた。 昇平の拉致およびカルナック神殿での殺害及びバンダルの死体遺棄については3月20日の22時00分から21日4時00分まで6時間連続でまるまる犯行可能なので充分時間に余裕があった。 榎田はバンダルと昇平の殺害についてのアリバイは無いので、アリバイについては問題の無いと思える伊野部殺害と同一犯であることを強調するためにカルナック神殿脇に乗り捨てた青いワンボックスカーの中に伊野部殺害に関わる証拠品を残したりジャッキに赤茶色の塗料をつけたりした。 ホテルラムセスに残したカノピック壷も同様の意図だ。 [6]「NILE R」の意味。 たくさんの「NILE R」を考えたけど榎田の「NILE R」は辰平が示した昇平との遊びの例の「Mickey M」と全く同じやり方だし、いい線行ってると思う。 だって、ごちゃごちゃいじりまくったら、いろんな「NILE R」が作れてしまうってのを僕は経験上知ってるもん。 「NILE R」はただの暗号解読ではなくて、あくまでも辰平が示したマルチワードの考え方で解かなきゃあんまり意味がないと思うしね。 だから「NILE R」は辰平の例に近くてシンプルであるほど合ってそうな気がするんだ。 この本は「アリバイ表のトリック」があるためにアリバイだけでは犯人を絞込むのが困難だから、犯人の言動の論理矛盾のほかには、やっぱりこの「NILE R」が納得行く犯人でなきゃぁいけないと思う。 そんなんだから、『Rの刻印』 「日本での厄介事」から思ったこと。に書いた「NILE R」についての書き込みを再掲しておこうっと! 辰平が昇平とよくやってたというパズルゲームの例を辰平が披露してるよね。 『Mickey M』の「M」は「Middel」で「Mickey」の真ん中を取り出して「ck」で「カルバン・クライン」ってやつ! これ「Mickey」が6文字という偶数だから真ん中を取り出すと2文字の「ck」になるだけで奇数だったら1文字と考えて良いよね。 それを踏まえておんなじようにすると 『NILE R』の「R」は「Right」で「NILE」の右を取り出して「E」で「榎田」の頭文字になる、ってことで辰平の例のままで問題なく出来ちゃうもんな(^^) それと『NILE R』は昇平の手帳に、そのまま「ナイル・レストラン」の意味で書いてあるでしょ。 そのままずばり「ナイル・レストラン」の意味で書いてあるのに「ナイル・レストラン」を関係無しとするのは、いくらなんでも無理があるでしょ。 で、「ナイル・レストラン」の、店内のレジカウンターの横の壁のコルクボードには昇平と浦永と「榎田」の写真が貼ってあるってのも複数解答で書けるよね。 もう一つちょっとこじつけだけど「R」を右に90度倒すとヒエログリフの「h」に似てるのが「日出之」のイニシャルってのも書いてもいいかもな…(^^ゞ [7]最後に一言 この4ヶ月、っていうか、大体の事が見えてきてからの2ヶ月ぐらいかなぁ…、ずっともやもやもやもやしてて、いつでも『Rの刻印』をぱらぱらぱらぱらやってたんだけど、やっと気持がすっきりしたよ。 せめて自分の考えの中だけででも、全ての辻褄の合う答えを出したかったもんな。 なんせ僕には「伊野部の体はアスワンには来なかった」という譲れない事があったからなぁ…。 その理由は過去記事『Rの刻印』最後の記事。に書いてる。 どんな風に考えても 「あれの意味が分からない」 「あそこに矛盾がある」 「あのことの説明がつかない」 ってのがいっぱいあって、納得がいかなかったもんな。 はぁ~、良かった(^^♪ もう悪夢を見なくてもすみそうだ(^。^) でも、これ自分一人では絶対に行きつけなかった。 僕のくだらない記事にいただいた沢山のコメントに新たなインスピレーションをいただき、そのたびにちょっとづつちょっとづつ進むことができたんだ。 だって、記事の書き出しは「誰それさんにいただいたコメントで思った」みたいなのが多かったように思うしな(^^ゞ 僕のアホみたいな『Rの刻印』記事に長いあいだお付き合いいただき、貴重なコメントをしていただいた、 ひさけいさん・まーちんさん・ぱぐぱぐさん・伽羅さん・酒好きさん・popicoさん、ありがとうございましたm(__)m
『2月28日午前1時30分追記』↓ 『Rの刻印』のことを発売前に僕に教えてくれたのはひさけいさんだったんだよね。 で、今思い出したんだけど、ひさけいさんは去年の10月『Rの刻印』の発売からまだ2週間も経たない時点で「榎田」を疑ってたんだ。 その理由が349ページのアリバイ表で 「榎田と辰平がアスワンの港からアスワンロイヤルホテルまでトラックで荷物を運ぶのにそんなに時間がかかるはずがない」って事だったんだ。 僕が紆余曲折を繰り返してたどり着いた「アリバイ表のトリック」にひさけいさんは、4ヶ月前の去年の10月にすでに気づきかけてたんだよな。 確かにアスワン港からアスワンロイヤルホテルって栗山が小一時間で散歩した距離なのにトラックで8時間もかかるなんて、めちゃくちゃ変だもんね。 ここに何かアリバイ表にトリックがあるという事にひさけいさんは思い至ったんだよなぁ…。 この部分を「アリバイ表の正しい読み方」で読まなかったら、めちゃ不自然だし「榎田」が赤茶色のトランクを受け取ることは不可能なんだよね。 せっかくみんなに助けてもらってたのに、あの時ひさけいさんが考えた事をどうしてもっと真剣に考えなかったのかって、悔しいんだよな(>_<) 今、そのことを思い出して、どうしてもこの事を書かなきゃ『Rの刻印』ネタ、特に榎田犯人説を終れないと思って、追加書き込みをしてしまいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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