カテゴリ:ドキュメント
手塚治虫さんの『アドルフに告ぐ』を昨夜までに再読して、心がわなないてしまった。
昔読んだときと全然違った。 また読んで良かった。 峠草平の口を借りて手塚治虫さんが言いたかった 「正義ってものの正体」ってのを、考えてしまった。 っていうか『正義なんてものはろくなもんじゃねぇ!』って思っちゃったよ。 人はみは正義のために戦うとか言うけど、相手にも正義はあるんよね。 いつの時代でも、戦いに勝った側が「正義」だってことなんよ。 だから、勝たなければならないって理屈だよね。 日本がアメリカと戦争を始めたことも、勝てる見込みがないのに始めた事を批判してるのをよく聞く。 山本五十六さんが「2年はもたせる、でも2年以上は責任を持てない」って言ったのは有名でしょ。 つまり2年で終わる戦争だったら、あの戦争は勝つ事が出来て、勝つことが出来れば、それはもう正義の戦争なんよ。 なんじゃ、そりゃぁ、って思ってしまう。 いじめられて、いじめられて、もう死ぬしかないところまでいじめられた側が戦争をしかけたって言うじゃない。 だから戦争もしかたなかったとかね…。 でも、その論理だとヒトラーだって正義なんよね。 ドイツは第一次世界大戦の敗戦の賠償金を、英米から国が存続出来ないほど請求されたんだ。 あの時、多くのドイツ人は戦うしかないと思ったに違いないもんな。 日本もドイツもいじめられて、生き抜くために戦争を始めたって言えるのかも知れないと思う。 でも、いじめた側にも正義はあったんだよね。 今、世界が北朝鮮をいじめてるのも正義だもん。 だって、北朝鮮は日本人を拉致したし、悪いことばかりやってるもん。 だけど北朝鮮側にしたら、自分たちはもっともっと酷い目にあってるって認識なんだろうしね。 北朝鮮が核を手に入れたってのも、北朝鮮にとっちゃぁ正義を行うためには必要なことだったのかも知れないもんな。 金正日だけが悪いと言うけど、ほんとにそうななのかなぁって、僕なんかは思ってしまう。 正義ってものがうさんくさいって事がわかっても、じゃぁ、どうしたら良いかなんて僕なんかにはさっぱり分からないけど、ただ相手には相手の歴史があり思いがあるって事を考えなきゃいけないってことだけは分かる。 国益、国益なんてことを声高に言う人はろくなもんじゃないと思う。 昨日の晩に、この『アドルフに告ぐ』を読み終わって、強烈な読後感に少しボウゼンとしてたらNHKスペシャル『海軍400時間の証言』なんてのをやってて、これをまた見てしまったんだよな(>_<) 『海軍400時間の証言』に、あの大東亜戦争(太平洋戦争という名称はGHQに無理やり改名させられた名称なので使いたくない)には、「正義」すらなかったみたいなことが語られてて、ますますボウゼンとしてしまった。 胡散臭くても、せめて、せめて正義の戦争であってくれなくちゃダメでしょ!(^_^;) この番組、驚くものなんよ! 「海軍反省会」というものがあり、実際に大東亜戦争の立案から作戦に関わった人たちの録音テープが発見され、その生声が放送されたんよ! このNHKスペシャル『海軍400時間の証言』は、昨夜から3夜連続で放送されるので、昨夜見なかった人も見てみて! NHKのホームページからコピーしておくね↓
海軍・軍令部というものの存在すら知らなかったし、そこが戦争を始め、作戦を立て、負けるのが分かっても戦争を長引かせたくさんの犠牲者を出した張本人だってことも知らなかった。 軍令部総長を9年も勤めた伏見宮博恭という皇室の事も初めて聞いた。 ”もう、むなしくなるので見るのをやめようかな…”みたいなことも、考えちゃうな。 見るけど…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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