テーマ:方言について(13)
カテゴリ:言葉のこと
最近はあまり言われなくなったけど一昔前は「ら抜き言葉」を日本語の乱れみたいな捉え方をされる事がよくあったでしょ。
だけど僕は昔から、 ”何を言ってんだか!言葉って変遷するに決まってるやん!言葉の変遷を許さないのなら日本人は古語で話さなきゃならないの?” みたいに思ってたから、全然気にしなかったけどね。 で、まぁ「ら」というのは文法的にいろいろとあって、可能や尊敬や受け身や活用によっても「ら」が抜ける場合や抜けない場合があるらしいんだけど、そんな難しい話はおいといてと…。 僕がね、前から気になってたのが島田紳助さんの京都弁なんだ。 走れへん 食べれへん 寝れへん 見れへん 起きれへん 紳助さんは動詞の可能の否定を表すときには、上のような「ら抜き言葉」を話すんよ。 でね、とりあえず一番上の「走れへん」という言葉についてなんだけどね、 「走れへん」というのは「走る」の可能の否定だから 「走ることが出来ない」って意味で使ってるんよ。 標準語だと 「走れない」ってことだよね。 「走られない」なんて言わずに、ちゃんと「ら抜き」が起こってて「走れない」って言うよね。 これ、何も問題がないと思うでしょ。 ところがね、多くの大阪人の話す大阪弁では 「走れへん」は「走らへん」と同意なんよ。 つまり標準語では 「走らない」って事になる。 つまり可能の否定ではなくて、ただの否定なんだ。 だから大阪では可能の否定を表す 「走ることができない」事を表現するためには 「走られへん」というように「ら」を抜かないんよね。 つまりね、大阪弁って変なんだよ。 日本語から「ら抜き」が起こってるのに合わせて、各地の方言も京都弁のように、ちゃんと「ら抜き」してると思うのに大阪弁はかたくなに古い言葉を守ってるみたいなところがあるんよね。 だから大阪弁では上に茶色字で書いた言葉は 走られへん 食べられへん 寝られへん 見られへん 起きられへん という具合に「ら」を入れて話す人のほうが圧倒的に多いと思う。 たとえば、さんまさんは出身は奈良だけど、完全に大阪弁だから赤字の「ら」を入れて話す。 吉本新喜劇でも赤字のほうしか聞かないでしょ。 以前は紳助さんの話す京都弁に違和感があったんだけど、あれだけテレビに出まくって機関銃のように京都弁を聞かされると慣れちゃうよね。 だけど紳助さん以外には未だに、この使い方をほとんど聞かない。 ブラマヨの小杉さんと吉田さんが京都出身で、小杉さんの口からは聞いたことがあるような気がするけど紳助さんほどは聞かないので意識して言わないようにしてるんじゃないかとも思う。 大阪弁の「ら入れ言葉」の事をもしかしたら紳助さんはご存じないのかも知れない。 ただ大阪人意外には何とも感じないことだろうし、紳助さんが大阪人を相手にしてないってことも考えられるけどね。 それと、北摂は神戸阪神方面の、京阪というか北河内は京都方面の影響を受けて、ちゃんと「ら抜き」が起こって来てるかもしれない。 だけど南河内泉州地方は、間違いなくこのことは言えると思う。 隣接してる奈良、和歌山方面の方言で「ら抜き」が起こってるのかどうかを教えていただければありがたいんだけどな…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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