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2012年01月29日
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カテゴリ:ミステリー
 昨日の土曜日午後7時からBS日テレで『浅見光彦ミステリー・備後路殺人事件』が放送された。

 水谷豊さんの浅見光彦シリーズは全部で8作品あって、その7作品目なんよね。

 まず新聞でタイトルを見たときに『備後路殺人事件』だなんて、原作にそんなタイトルはないので、原作が何なのか分からないままに見始めた。

 見始めて広島県のJR三次駅の跨線橋(こせんきょう)が事件現場である事から『後鳥羽伝説殺人事件』が原作である事がすぐに分かった。

 『後鳥羽伝説殺人事件』というのは浅見光彦というキャラが初めて誕生した小説なわけで、シリーズになる予定もない単なる一発小説として書かれたもので、浅見光彦ファンなら誰でも知ってる一番有名な物語なんだ。

 そんなだから『後鳥羽伝説殺人事件』という小説は、後の浅見光彦シリーズと比べていろいろと違和感があったりする。

 まず、あのさわやかキャラの浅見光彦の妹が事件被害者になり、その事件解明に奔走する兄貴・浅見光彦って、そんなん、さわやかキャラでおられへんもんなぁ…。

 細かい事を言えば、兄の陽一郎はまだ刑事局長やないし、「旅と歴史」という雑誌も登場してなくて、光彦の職業はただのフリーのライターでしかなかったと思う。

 
 でぇ、昨日見たBS日テレの『備後路殺人事件』の原作は『後鳥羽伝説殺人事件』ではあるんだけど、被害者と光彦には関係がない設定になってた。

 この方が良いよね。

 さわやかキャラの光彦の妹が、悲惨な事件被害者だってのは、なんか受け入れがたいとこがあるもんな。

 僕は、そんなふうに思うけど、原作者の内田康夫さんの思いは違ったんやろうなぁ…。

 日テレの浅見光彦シリーズがたったの8作品で終了したのは内田康夫さんが日テレに対して以降のドラマ化を拒否したという事を聞いた事があるし、ドラマ化するときに原作をいじった事が内田さんは気に入らなかったんやろうな。

 たとえば、

 5作目『越後殺人事件』の原題は『漂泊の楽人』

 6作目『唐津佐用姫伝説殺人事件』の原題は『佐用姫伝説殺人事件』

 7作目『備後路殺人事件』の原題は『後鳥羽伝説殺人事件』 

 というふに、タイトル名から変えてしまって、無理から地名を入れてる。

 こんなことする必要あったんやろか?

 っていうか、こんなん、原作者さんとのあいだで、いろんな事をちゃんと詰めてさえおけば、原作者さんからクレームがついて番組が打ち切りになる事なんかないやんかぁ!

 当時の日テレのスタッフが、原作者との折衝も含めて細かい仕事をしてくれてたら、水谷豊さんの浅見光彦が何十作品も作られ続けたかも知れないし、そうなるとTBSやフジテレビの浅見光彦は誕生しなかったかも知れないなんて思う。

 そして、日テレで浅見光彦の打ち切りにともないスタッフ・キャストをそのままで製作された『朝比奈周平』も誕生してないわけで、もしかしたら、その後の『地方記者・立花陽介』も生まれなかったかもしれない。

 そんなふうに考えたら、日テレの浅見光彦が打ち切りになった事が、その後の民放各局のミステリードラマの広がりを作ったひとつの要因ともいえるかもしれないな。


 しやけど、フジテレビの浅見光彦は一生懸命に見てもストーリーが分からんようになるのんは僕が悪いんやろか?

 おとといの晩に見たフジテレビの浅見光彦の新作『還らざる道』をちゃんと見たけど、なんか霞がかかったような、っていうか、どこをどう楽しんだらええのんか分からん、っていうか、話がよう見えへんかった。

 だけど、内田康夫さんはフジテレビの浅見光彦が一番のお気に入りみたいやし、よう分からんなぁ…。


 それにしても22年前に作られた日テレの浅見光彦『備後路殺人事件』は、光彦の心の声がナレーションのように入ったりしてて、こちらの気持ちを細かく誘導してくれて、ほんまに分かりやすい脚本になってた。

 ほんで、今年フジテレビで作られた『還らざる道』は、一生懸命に見たのに、ストーリーが分からんようになるってなんやろう?

 ドラマを作る技術は、この22年でものすごく進んでるやろうし、昔のよりも今のほうが分からんって、やっぱり視聴者である僕のほうに問題があるのかもしれないな。

 
 ひとつ考えられるのは日テレの浅見光彦の脚本は岡本克己さんなんよね。

 でぇ岡本克己さんの脚本といえば『地方記者・立花陽介』が有名なんよね。

 でね、『地方記者・立花陽介』が僕は大好きで、好きって事は面白いって思うって事で、つまり、僕は岡本克己さんの脚本を面白いと思える人だって事は間違いない。

 つまりは、分かる分からんの問題やなくて、単に僕の好き嫌いだけの問題なんかもしれへんなぁ…(^_^;)





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最終更新日  2012年01月30日 03時30分52秒
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