☆じゃがべぇ～(^_-)-☆

　ピーターの取扱いについての後ろめたさは、ずっとあった。
　萌空の気持ちやないよ。
　こんな話をでっちあげてしまった作者である僕の中にある後ろめたい気持ちやねんね。

　ハーフパイプ金メダリストであるノーラと萌空が出会う事になったのは偶然だったんだけど、その偶然は萌空をオーストラリアに連れて行ったピーターなしでは絶対起こらなかった偶然なんやもんな。

　ピーターと萌空の物語は２章だけなので、ピーターの事は、萌空目線で萌空の一人称でしか語られてないやんか。
　しやから、あの本の中にピーター自身の内なる思いは書かれてないんやけど、ピーターが萌空にぞっこんやったんは分かる。

　まだスノボを初めたばかりやのに、萌空には尋常じゃないスノボの才能がある事はピーターにもすぐに分かったと思うし。
　ピーターの滑りを理想の滑りと思って慕ってくれる萌空の事を、よけいに可愛く思ったに違いないもんな。
　しかも、ＡＫＢ４８のぱるる似で、その塩ぶりも相当なもので、多分ぱるるファンだったと思われるピーターは、萌空と滑るのは誰と滑るよりも楽しかったに違いない。

　そんなピーターのところを、いとも簡単に飛び出してしまう萌空って酷いんちゃうんかって思いがあった。

　しやけど萌空ってそういう娘やねんよね。
　
　ほら萌空のエピソードとして、ドライブ中でもイーっとなったら平気で車を降りて帰ってしまうのなんか日常茶飯事やったし、男に騙されて東京まで連れていかれて逃げだしたなんて話も書いてあったやんか。
　島根県に行って「結婚します」なんてメールをくれたのに、３か月後にはシレっと一人で大阪に帰って来た萌空にいったい何があったのかは書いてなかったけど、きっとピーターの所を飛び出したような、あんな感じやったんとちゃうやろか？

　萌空ってそういう娘やったから、ピーターと簡単に離れてしまった事も仕方がないんかもしれへんよね。

　でね、このピーターって人物は、萌空にとっては大きな恩人の一人なんだけど、出番が少ないし、感想を言ってくれはる人たちからピーターの名前が出ることはあんまりないねんね。

　それがＮさんと飲んだ時にピーターについての話が出たので、Ｎさんの話も含めて、僕が覚えてる三人の方のピーターの感じ方を書きだしてみることにした。

　お三人の感じ方は三人三様で面白い♪


　まず最初にピーターの事を言ってくれた人はＨＮさん。
「ピーターの登場にちょっと切なくなったり…」
　なんてふうな感想を持ってくれはった。
　ＨＮさんは女性なんだけど、男の行板に感情移入して読んでくれはったみたいで、そのことに、こそばゆい嬉しさがあったな。
　つまり、ＨＮさんにとっては、萌空と行板はずっと良い感じでいてほしかったって思いを持ってくれたみたい
　だけど、そんなＨＮさんだからこそ、ラストシーンにより大きな思いを持ってくれはった！(^^♪
　だってＨＮさんは２回読んで２回ともラストシーンでウルっと来たって言ってくれはったもん(^^♪


　次にピーターの事を言ってくれたのはＷＴさんで、彼は男性で、ピーターの事をずっと気になりながら読み進んだみたい。
　結局ピーターがその後登場しなかった事に、
「伏線の回収がぁ…」と、ちょっと気に入らないようやった(^^;
　ピーターはストーリーであって伏線ではないんやって、説明する必要があった。
　だって「伏線の回収がぁ…」って何回も言うんやもん(-_-;)
　萌空って、すぐに人を好きになって、すぐに気持ちが離れてしまう傾向がある人であることは、本の前半でいろんなエピソードを書いてるから違和感はないと思ったんやけど、読む人によって捉え方はちゃうからしゃぁないよね。
　てか、みんなが、本の全部を違和感なく読めるやなんて、そんなんは、すべてが予定調和みたいな、つまらん本のような気もするしね。
　このピーターが気になる感覚は男特有であって、女性にはないんとちゃうかとも思う。
　女性って過去の事は、スコンって記憶の彼方に葬りさるってところがあるもんな。


　で、先日会ったＮＪさんは、ピーターの事を一言で切り捨ててしまったのんが面白かった。
「ピーターは噛ませ犬やとしか思えへんかったよ」
　なんて言うんやもん(^^;
　ピーターと萌空の事が気にならないぐらい、心の芯の部分では行板と萌空は繋がり続けてるって思ってたんだって。
　ＮＪさんは、行板と萌空の距離感が好きだって言ってくれた。
　だって、あんな２０歳そこそこの若い女性と、すぐに距離が縮まるってほうが不自然やし、ものすごくリアリティを感じた、なんて言うんよね。
　萌空と行板にリアルを感じたことを、何度も言ってくれはった。
　でもね、僕、あの本に行板の年齢を書いてないねん！
　読んだ人、気が付いてはった？
　萌空の年齢が若くて行板の年齢が書いてない事でリアルを感じたＮＪさんは、もしかしたら、行板とご自分を自然と重ねて読めたのかもしれない、なんて思った。
　行板の年齢を書かなかった事なんか関係ないかもしれないけど、もしかしたら、その事でいろんな人が自分と行板を重ねて読める効果があったのかもしれない…。
　ＮＪさんは、行板は後半登場せぇへんけど、萌空とはちゃんと繋がってるって気持ちをゆるぎなく読み続ける事が出来たって言ってた。
　だからＮＪさんにとっては、ピーターは一つのストーリーとして自然に読んでくれたみたいや。


　ピーターなんて脇役にも、ちゃんと思いを持って読んでくれはった人が何人もいた事が嬉しかったな♪

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