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ぜんちゃんの風に吹かれた日々

ぜんちゃんの風に吹かれた日々

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バルナバぜんちゃん

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2005年01月21日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
あるリフォーム屋さんから直径6センチ長さ25センチほどの自家製沢庵を三本もらった。
それを丸一日オフィスの湯沸し室に置いていたらオフィス全体が沢庵臭くなった。
二階のオフィスに通じる階段の下あたりまでも沢庵の臭いに侵された。

そもそも沢庵とはナニモノであろうか。
そもそも誰が一番初めに大根をかじったのであろうか。
そのままでは辛くて不味いが煮物にしたらこりゃ美味いと誰が考えたのか?
なおさら大根を漬けて「沢庵」などとは。

ときどきボクはそんなどうでもよい事を考えたりする。
たとえば魚を獲って食べる習慣、そんな海のモノで「タコ」「イカ」あるいは「ナマコ」のようなグロテスクな生き物を誰が一番最初に食したのであろうか?
イカをさばいて、しかもあの生臭いイカの腑を混ぜて「イカの塩辛」という芸術品を発明したのはいったい何者だ。

前に勤めていた会社の社長は会社で白菜を漬けていた。
それを昼食になると自ら切って皆なに強制的に食べさせた。
でもこれが実に美味しかった。
漬物の秘伝は…柿。
むれ熟した柿をグジャグジャにして混ぜるのだ。
秘伝その弐…ヤクルト。
これはつまり決め手は「乳酸菌」なのだと後になって考察した。

子供の頃、農家の友だちの家に行くとよくそこのおばあちゃんが自家製の梅干を手のひらにのせてくれた。
その酸っぱさといったら脳が痺れる感じがした。

「ほらほら、こっちに来て手をだしな…」
そう云いながら手招きする老婆の姿はホラー映画さながらで
断れないボクは嫌々ながら左手を出すと決まってこういった。
「あら?ギッチョかい!フォッフォッフォッフォッ…」
そしてこうとどめをさす。
「ほんじゃら、両手をだして!フォッフォッフォッフォッ…」
そしてその両手に大きい梅干を一つ箸でつまんでのせた。
「酸っぱいから、ほれ…砂糖のせてやっから」
究極の梅干に白砂糖てんこ盛り。
仕方なくそれをゆっくり時間を掛けて舐めるのだ。

しかし思えばそういうおばあちゃんはもう見掛けなくなった。
とにかく、三時のおやつに「梅干白砂糖てんこ盛り」なんてものはもう存在しないだろう…。
あの頃は皆な貧しかったに違いない。
でもちょっと想い出して「小さい梅干白砂糖ちょこっと盛り」ならお願いしてもいいかな。
縁側で熱いお茶を飲みながらね。
「沢庵ってのは臭くてやだね。フォッフォッフォッフォッ…
 やっぱり、これですかね」なんて。





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最終更新日  2005年01月22日 00時08分54秒


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