カテゴリ:映画
仕事先で青梅駅に降り立つことが多い。構内の通路には「鉄道員」の絵看板がまるで銭湯の富士山絵のように描かれている。実に風情があって昭和の匂いを感じさせる。高倉健「不器用ですが・・」そのCMがこの看板絵を見る度思い出される。「居酒屋兆次」好きだった。朴訥とした語り。台詞の隙間からのぞかせる男の香り。 役者は佇まいが大切だ。 「キネマの天地」を見た。深作監督「蒲田行進曲」に遅れること4年。野村芳太郎監督。脚本山田太一、山田洋二、井上ひさし、朝間義隆、まあ早々たる脚本、監督人。役者も中井貴一、有森也実、渥美清、松坂慶子、倍賞千恵子、すまけい、笠智衆、松本幸四郎、藤山寛美等々、枚挙に暇のない顔ぶれ。 その役者の中で「蒲田行進曲」の銀ちゃんと同じような役者が出てくる。その男は言う。「客はおれの演技を見にくるんじゃない。俺の顔を見に来るんだ。俺が歩く。それだけでお客は満足するんだ」ちょっと台詞の中身は違うけどまあ、コーンなトーン。なんか痺れるね。存在ってとっても重要。それが健さんでもあった。 電車の往復でつかこうへいの「銀ちゃんがいく」読み終わった。再読本だ。子夏、ヤスとの絡み。 階段落ちは今度は銀ちゃんがやる。子夏との間に出来たルリ子。ルリ子も役者として最後は演技する。ルリ子は血液のがん、白血病に冒されている。銀ちゃんはシャブ中。最高のスチュエーション。面白く再読させてもらった。見事に内容も忘れていたけどね(笑) これらのことは全て偶然なんだけど、青梅周辺一面に描かれている活動絵、「キネマの天地」「蒲田行進曲」「銀ちゃんがいく」で見事に線が繋がった。まあこういう偶然の中でおいらは今日も生かされている。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|