カテゴリ:漫画
ブック・オフで100円購入欄を覗いていたら、「図書館の主」篠原ウミハルの漫画が2冊置いてあった。この本は、立川駅構内にある特徴的な本ばかり選書してある本屋で見かけたことがあったので少なからず興味を持っていた。
面白いかどうかはわからない。でも200円で購入できるなら、はずしてもまぁ、いいかって気持ちで読んでみた。ストーリーは児童図書館に勤務する司書を通じての物語であった。 読後、児童文学って子供の頃たくさん読んだ気がするけどほとんど内容は忘れていたという点だ。 例えばオスカーワイルドの「幸福な王子」 この物語は銅像となった王子と燕がたくさんの貧しき者、不幸だと思っている人達に対して王子が自らの体を切り刻んで分け与えていくという話である。いわゆる自己犠牲の話である。 イソップの話にも確か同じような内容があったね。 手塚治虫が終生テーマにしていた「ウサギが腹を空かした動物に自分の身体を焼いて食べさせた」って話と被ったね。 そこには人間のエゴや偽善等に対しての、切れ味鋭い皮肉、痛烈な批判が含まれていた。 皮肉や批判の対象となる人間的な「醜さ」について物語的に誇張はされているものの、驚くほど深い人間に対する洞察によって導かれたモノで、とても考えさせられた。 どんな良い事をしても結局、王子は焼かれ、燕は寒さで死んでいく。人間界では、誰もこの王子と燕のことを褒めたたえることもなく感謝することもないまま話は終わる。 「綺麗でなくなった」と言うだけで、なんの意味も持てないまま、ただ消えていく。しかしどうしようもなく物語は美しい。 この物語がなぜ心に残るのか。おそらく、その行為が究極の「愛」から発生したからだと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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