まずタイトルは、東野圭吾の小説「レイクサイド」を彷彿とさせ(映画では「レイクサイドマーダーケース」となっている。)、小説の冒頭では「僕の枕は涙で濡れている」と、かつて世界の中心で愛をさけんだ、某ベストセラー小説の「朝、目が覚めると泣いていた」に似ていなくもない。
それだけでなく、物語の中盤以降では、若くして夭折した伊藤計劃の「虐殺器官」や「ハーモニー」のようだ。
では、この小説は、パロディでありオマージュであり模倣作であるのか?
それは断じて違う。佐藤友哉が世界に一人しかいないのと同じ。この小説は世界に一冊しか存在しない。
「世界」が「佐藤友哉」を生み出した。「佐藤友哉」が「世界」を創った。どちらだっていいじゃないか。
ベッドサイド・マーダーケース
9月7日、読了。