中2の時、吹奏楽部のメンバーで「K楽園」へ行ったときの話。
絶叫マシンに目がない僕は、友人を連れて、「@」や「&」な感じに回転するジェットコースターへ飛び乗った。席に座ると、頭の上からU字型のシートベルトが自動で降りてきた。その際、背負ったままだったリュックサックに気づき慌てて外すが、降りる途中だったシートベルトにぶつかり、シートベルトは中途半端な状態で、身体を固定しないままストップしてしまった。
やがて大きなベルが鳴り、ゆっくりと発車し45度の坂を昇り始めたので、放心状態から覚め両手を振りながら大声で「助けて下さーい!」と叫ぶが、スタッフは笑顔で手を振り返すのみ。
坂を登りきってゆっくりと降下の準備をするコースター。身を乗り出し、後ろの席の友人に助けを請うが、友人は目をしっかりと閉じバーを握り、間もなく始まる急降下、回転ひねりに備えていて、こちらには気付かない。
14年間の人生をダイジェストで振り返る。楽しかったこと、辛かったこと。次いで「中学生ジェットコースター転落」という未来の新聞記事の見出しが頭に浮かんだ時、腹を決めた。シートベルトなしで、目の前のバーを必死で握ろうと。ごおおおおおおお…
死ぬかと思った。
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