生粋の村上主義者でもある作家・川上未映子がインタビュアーとして、村上春樹に、訊く。緊張感と意気込みが伝わってくる。新作や過去の作品や、村上さん自身のことについてはもちろん、そうそう、それが訊きたかった!と膝を打ちたくなるような質問まで。矢継ぎ早に、鋭く、ときに執拗なくらいに。川上さん、良い仕事したなあ。
そして、村上さんが、その質問たちに、豊かでシンプルな語彙と、巧みな比喩とユーモアをもって、誠実に答える。本人いわく、二年分くらい語り尽くす(笑)。作家としての器の大きさ、キャビネットの引き出しの多さは言うまでもない。
何というかマスターヨーダが、弟子にフォースの極意を伝授しているような感さえあった。
★★★★★
みみずくは黄昏に飛びたつ Haruki Murakami A Long,Long Interview