マスコミが“未受診”を増やしたのでは?
いつも拝見しております産科医haruさんのブログ『産婦人科医はがんばってる。』の記事分娩予約の意味を読みました。新聞記事内容よりも、haruさんの出産には「予約救急」という考え方があって、時期ははっきりわかっていないけれど、確実にやってくる、しかも救急疾患として、というものです。分娩予約は、「いつくるかわからない出産に対して、ボクたちは責任を持って対応しますよ。」という、病院と妊婦さんの契約であって、妊婦さんもその契約に対して、誠実に妊娠生活を送ってもらわないといけないと思います。そして、なによりも生まれてくる赤ちゃんに対して、誠実でいてほしいです。が最後に深く残りました。そして、子供をおなかに宿した瞬間から、時期ははっきり決まっていないけれど、分娩は確実にやってくるのです。には、目頭が熱くもなりました。私は分娩というのは、子供が生きて生まれてくることだと、漠然とそうおもっていました。よっぽどのことがない限り、子供は死なないとおもっていました。そのよっぽどというのは、医療事故、交通事故といったことが頭に浮かぶくらいで、妊婦の心得として言われるような食生活や習慣の見直しと改善、体重管理というのは、産道を狭くしないため、安産のためとして頑張っていました。冷えにも注意していたし、夏でも冷たいものは飲まないし、靴下だって脱がなかった。下半身は妊娠初期から臨月まで、しっかりと温めていました。でも、逆子になった琴子。私は決して、助産院で産むためだけに気を付けていたわけではない。その証拠に、病院で産むと決めたリンズもダンジも、妊娠中は徹底して管理し続けていました。自分で出来ること=生活の中で生じるリスクを最小限に止める妊娠した以上、子供を無事に生むのが、私にとっては一番大事なこと。琴子の天国のお友達を通じて、様々な悲しいお産を知った。お子さんが亡くなることを覚悟して、分娩の日までを一緒に過ごしていたママさんもいた。健診もしっかり受けていたけれども、ある朝胎動を感じないことが気になり、病院で診察を受けたら、『胎児の心拍が確認できない』と言われ、医師から説明を受け、産声の上がらない、悲しいお産をしたママさんもいた。胎盤剥離でママさん自身も助かる可能性が低いといわれ、赤ちゃんも助からないかもしれないといわれ、泣きながら廊下で待っていたというパパさんの話も聞いた。胎盤剥離で突然搬送され、震える手で帝王切開の手術の承諾書にサインをして、麻酔が効くのを待てずに切開が始まったママさんのお話…その苦しみの後、赤ちゃんは亡くなってしまっていた。他にも沢山の理由と、沢山の悲しいお産があった。意図的に病院に通わない未受診の妊婦の人には、何を言っても無駄なのだろうなぁ。haruさんも紹介されている記事内容健診費用は1回5千円~1万円程度。厚生労働省によると、健診は14回程度が望ましく、最低5回は必要とする。だが自治体の公費助成は平均2.8回にとどまる。 (asahi.com「飛び込み出産」急増 たらい回しの一因、背景に経済苦より)で気になったのは、結局、助産院での健診というのはこれに当てはまるのですか?助産院では嘱託医のでの健診を2回~3回は義務付けているとよく目にしますが、残る約11回は、していても助産院での健診…これはどうなのでしょうか。これも、安全といえるのでしょうか。病院での健診は14回程度が望ましいといわれ、でも助産院や自宅で出産している方たちは病院には3,4回となると、やっぱり健診の重要性が薄れて語られている可能性はあるとおもいます。現に、私の知人が助産院で出産しているのですが、「健診は健康である限り意味がない」と言い、助産院の指定している回数しか病院には行かなかったし、このように、病院での健診にはあまり意味がなく、金儲けのためだとばかりに言っている人はいましたから。で、助産院でも健診はしているとしても、エコー診断の問題もあるわけですよね?助産院ではエコーでの診察は出来ないはずですから。矛盾があるとおもいます。なんかおかしいんです。未受診の方全てにはあてはまらないことですが、助産院や自宅出産を推奨する風潮が高まるほど、病院での出産はおろか、健診でさえ、過剰な医療介入とおもっている方はいるのではないでしょうか。もしも報道番組で『医療から離れた助産院(自宅)での自然なお産は素晴らしい!』というような特集があって、同枠で『未受診者が増えています』という報道があったとしたら…健診に通わなくても、分娩時にだけ病院にいられれば無事に産めるっておもっちゃう人が出来ちゃうだろうなぁ。自然が良いよね! って言われたら、健診だって不自然な行為におもってしまう人も、いるんじゃないか?マスコミって、どっちなんだろう…自然なお産が素晴らしいって煽っている場合は、未受診者を『素晴らしい!』と報道しなくちゃ、おかしいよ。