|
カテゴリ:ビジネス書
書店でたまに見かける「地頭力(じあたまりょく)」の本。どうも取っつきにくいので避けていましたが、ようやく一冊を手に取りました。本書の背景には、最近みられるインターネット情報への過度の依存があるようです。 今の時代はインターネットに接続しさえすれば、誰でも膨大な情報にアクセスできます。でも、その情報を「単に「コピペ」するという姿勢で使っていたのでは人間の考える力は退化」してしまいます。よって、今の時代こそ純粋に考える力(地頭力)が求められているというわけです。 著者は、頭のよさを「記憶力」(=物知り)、「対人感性力」(=機転が利く)、そして「地頭力」(地頭がいい)の3種類に分類していますが、この観点でも、「記憶力」の重要性は低下してきているといいます。いまや情報が必要なときに簡単に入手できる時代となり、専門家と一般人との間に情報量の差がなくなってきていることが原因でしょう。 将棋の羽生さんが「ウェブ進化論」の中で「(情報の)高速道路を走り抜けた先では大渋滞が起きています」と述べていましたが、このことですね。データは誰にでも同じだけ用意されているので、記憶力の観点だけでは差がつきにくくなっているということです。本書では、この渋滞を抜けるために必要な要素が「地頭力」だといいます。 「地頭力」を構成する思考力は、 ・「仮説思考力」(結論から考える) ・「フレームワーク思考力」(全体から考える) ・「抽象化思考力」(単純に考える) の3種類だそうです。 では、こうした思考力を身につけるためにはどうすればいいのでしょうか。著者はそのお役立ちツールとして「フェルミ推定」を紹介しています。その理由としては、「フェルミ推定のプロセスは簡潔ながら問題解決の縮図であり、地頭力を駆使する場面が随所にちりばめられている」からなんだそうです。詳しい作用については省略しますが、以下のようなものが「フェルミ推定」の問題です。言葉は難しいですが、誰にでもできる簡単な問題です。 ・日本全国に電柱は何本あるか? ・東京駅の1日の乗降客数は何人か? ・国会図書館の蔵書数は何冊か? いかがですか。ここで、情報が足りないからわかんないよと思っちゃったら、「コピペ族」の危険あり^^自分の持っている知識と考えで、なんとか答えを導き出す(推定する)ことが大事です。ぜひやってみてください(1番上の問題の解答例は、本書に載っています)。 身近な問題でも問題意識を持てば、頭を使って考える訓練になるんだということがわかったのが収穫です。実際の現場に生かしていくのが、また一苦労ともいえますが。 自己採点 83点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ビジネス書] カテゴリの最新記事
|