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大きく引き伸ばしても、しぶきが生き生きと躍動し、生きる勢いを感じる。 亡き父の枕もとを整理している時に、クシャクシャの広告の切れ端があった。 捨てようと思って、ふと見ると、 裏に鉛筆で書かれてあった。 『私の写真です。見て下さい。写真からいろいろな話が出来ると思います。』 その紙を見たとき、 弟も、姪達も泣いた。 声をあげて泣いた。 「おじいちゃん、そんなこといっこも言わへんから、わからへんかった。」 「おじいちゃんが生きている間に、いっぱいいっぱい写真の話出来たのに。。。」 父は自分の空き店舗に写真を並べていた。 自分でそれらの写真を見ていた。 母に聞くと、いろんな人に見て欲しかったらしい。 息子は父の膨大なフィルムに目を通して、言った。 デジタルで残そうと思ったけど、 「どの写真を送って賞を取ったのかわからへん。 みんな同じ写真ばかりに見える。ちょっとした違いなんやろな。。 おじいちゃん本人にしかわからへんな・・・・・」 「な、どのフィルムなんや。。。」 お葬式の時に、父の写真の中の一部を並べた。 写真を知っている人が、 「これは素人の趣味の範囲を出てますわ。」 と言われた。 そうなんや・・・ そうしているある日、 「おじいちゃんの写真展をしよう!」 孫達が今連絡を取り合って、会場、日時を決めている。 親達は忙しいし、ややこしいから、孫達がすることにしたそうだ。 私は、 「お母さん、数年前写真展計画したのに、計画倒れに終わってしまって、、 すごく自分を責めてしまうわ。。」 と言った。 「いいんやで。あれからお母さんの人生180度変わったし、 お母さん一人ではできへん状態やったやん。 俺らは一人違うし、ポスターを作ったり、会場手配したり、手分けして出来る。 そういう風になってるんや。 だから、気にしなくていいで。」 そう言ってくれた。 おじいちゃんの写真が孫たちの手で、整理され、壁に飾られ、 見てもらえる。 おじいちゃん、良かったね。 しあわせ者やね。 一直線に頑固に生きた父。 孫達を分け隔てなく可愛がった父。 厳しかった父、 孫達は全員、父に説教された経験がある。 そんな孫達が恩返しの意味を込めて、おじいちゃんの写真展を開く。 よかったねぇ。。 孫達が、こんなに大きくなったよ。 写真展、天国から見に来てやってね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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