テーマ:楽器について♪(3648)
カテゴリ:風変わりなピアノ
これはこれらの楽器が鍵盤上の指の操作で音色や音量を変えることができないため、鍵盤の各段(マニュアル)にいわば音色をプリセットして、演奏時は鍵盤を弾き変えることによってデュナーミクを表現したりするのである。 鍵盤の弾き方で音を変えることのできるピアノの場合、1段鍵盤で十分役目を果たすことができるというわけである。 しかし2段鍵盤のメリットはそれ以外にもあったのである。例えば上下異なる音域にセットすれば広い音域を容易に弾きこなしたりジャンプしたりできる。またカプラーを使って上下連動させることによって一つの鍵盤でオクターブを演奏できる。極端な話、ショパンの幻想即興曲を通常の奏法でオクターブで弾くこともできる。 現実にはあまりピアノでそのようなオクターブの速いパッセージが要求されることもないので、どうにか通常の一段鍵盤で間に合っているわけである。 ところが、作曲家エマニュエル・ムーア(Emánuel Móor 1863- 1931 英/ハンガリー)はそのような普通のピアノには満足していなかったようだ。彼はそのオクターブでの速いパッセージや半音階グリッサンドを要求したのだ。そしてムーアはそれが演奏な可能なピアノの開発を、パリのピアノメーカー、プレイエル社にもちかけた。そうしてできたのがこの2段鍵盤のピアノであった。1929年製である。 このピアノはそれ以外にもさまざまな効果 - オルガン、チェンバロにのみ可能な - を出すことができる優れものであったという。しかし結局はムーアの特異な要求に応えるためのものにすぎず、それ以後普及することはなかった。 ちなみにプレイエル (Pleyel)はパリの老舗ピアノメーカーで、とりわけショパンの使用で知られている。しかし1970年に倒産、その後ドイツのシンメルがこのブランドを引き継いで作っていたが、1996年にはパリのピアノメーカーに戻っている。 (ベルリンフィルハーモニー博物館蔵) 経過時間 1月 18日 22時間 19分経過 吸った煙草 0本 吸わなかった煙草 499本 浮いた煙草代 99ユーロ 延びた寿命 1日 17時間 35分 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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