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今回はパシフィコ横浜で行われた「楽器フェア」に出席するのが目的だった。実は「横浜に行ってきなさい」と言われたのは5月頃、このブログもまだ開設されていない頃だったから相当前の話だった。 何をするかと言えば、技術講習、特に「整音セミナー」をするように、とのことだった。つまりピアノ技術者たちを前にして講義をする・・・ということだった。そのことにはいささかうれしい気持ち、誇らしげな気持ちもないと言えば嘘になるが、不安な気持ちが大きかった。 なぜなら、セミナー参加者の中には当然自分よりベテランで知己もある人が少なからずいるはずである。そのような人たちを前にして今の自分がどれだけ自信を持って語れるのか・・・という不安。 でも、不安ならその要素をひとつづつ解決していくしかない。 まず自分の技術に対する自信。 本当の意味でベテランと呼ばれる技術者は必ず自分で何か発見したものを持っていて、それが自信を生んでいる。 僕も半年足らずの間だが、何かそういったものを見つけようと思った。それで、毎回整音のとき、細かい作業とその効果の程度についてメモ帳に記録していった。 正直、5ヶ月たった今も自分なりの教科書を越えるようなメソッドが確立したとは言えない。しかし、メモが増えるにしたがって何かの決まったメソッドにしがみつくより、「裏技」でもいいから手数の多いほうが良いことがわかってきた。「裏技」というのはこういったセミナーでは反論されやすいが、逆にその反論も予想しやすい。それらに答えていくことでかえって自信がついていく気がした。 あとは内容。10月初頭までほとんど内容が絞り込めなかった。 時間ばかりが早く過ぎていくのを感じた。 でも、このブログを書いていることによって、特にまったく関係ないことを書いているときになにかひらめくことがあった。手を動かすということは発想を促すらしいが、本当にそのようである。 最終的には「職人的製法の優位性」「工場の作業の流れ」「実技・実演」の3本柱にしぼりこめた。 だいたい内容が決まると、「練習」し始めた。つまり一人でただしゃべりつづけた。家に帰ると独り言のようにブツブツ・・・。外で一人ごとを言うのは恥ずかしいので、外では携帯を片手にしゃべっていた。もちろん通話してるわけではなく、電源の切れた電話に話していたのである。 そんなこんなで、あっという間に時間は過ぎて、いよいよ当日を迎えることとなった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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