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市電の停留所から工場までは歩いて15分ほどかかる。
この間には東西を結ぶアウトバーンが一本通っていて、その周りには畑以外ほとんど何もないガランとした土地である。 そのため、ここはいつも強い風が吹いている。 夏は涼しくて良いが、今のこの季節は冷風が吹きつけるので大変だ。 それで、できるだけ工場の反対側にあるバス停のほうを利用するのだが、この場合10分早く家を出ないといけない。 今日は早く出ることができなかったのでバスは利用できなかった。 しかもあいにくの雨だった。電車を降りると、雨とともに激しい強風が吹きつけてきた。今日の風はいつもの比ではなかった。 傘をさそうとしたのだが、風で壊されそうになり、まったく役にたたない状況だった。上着のフードを頭にかぶり、強く、冷たく吹き付ける雨に耐えて歩いた。 このとき思い出したのが宮沢賢治の「雨ニモマケズ」だった。 あまりこの詩について考えたことはなかったが、この時は雨や風に負けないって相当なことなのだと実感した。というか負けそう。 宮沢賢治がこれを書いたのは病床の中らしいが、この年宮沢賢治は工場に技師として勤務していたそうである。そう思うと、工場勤務している僕には親近感が沸いてくる。 ひょっとしたら宮沢賢治も今の僕と同じように雨と強風の中を工場へと向かって歩いていたことがあるのではないか。そしてそのことを思い出しながら病の床にいた賢治がこの詩を書いたのではないか・・・ ・・・本当のところはわからないけど、そんな想像をしていると強風と豪雨の 中でも何だか楽しい気分になってきた。 雨ニモマケズ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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