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2010.07.19
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ピアノの歴史の「常識」では、ピアノは1709年、イタリアのクリストフォリによって発明されたということになっている。
ところがドイツ、フランス、イギリス各国は「わが国こそピアノ発祥の地である」と主張していたのだ。そしてそれぞれ根拠となる事実もあるのだ。

僕がOWS(ドイツのピアノ技術学校)の生徒だった頃、歴史の授業でクリストフォリの発明について習った時、先生はこう主張した。
「これは単なるチェンバロの改造にすぎず、新しい楽器の発明というわけではない。」
一応国際的なとりきめで1709年のクリストフォリをピアノの起源とされてしまっていることに対するささやかな抵抗のようで、何かほほえましいものすら感じる。

しかし、彼の主張の裏には、ピアノは単なるチェンバロの改良品ではないという意識も感じる。
チェンバロとピアノは音楽表現の方向が少々違っている。
もっとも、「ピアノ」という名称はこのクリストフォリの楽器「ピアノ・フォルテつきチェンバロ」に由来している。
たしかに、それ以前の音楽家はチェンバロの強弱が変えられないことに不満を持っており、ピアノがそのニーズに応えるものであったのは事実である。
だが、チェンバロとピアノの機能面での違いに着目すると、単にチェンバロに強弱を加えたものではないように思える。

チェンバロとピアノにはどのような違いがあるのか。
まず、チェンバロにはオルガンのように音色を変化させるためのストップがついていた。あるストップを引くとカプラーによってオクターブ同時に発音できる仕組みだ。そのほか特殊な効果を持つものもある。これはピアノにはついていない。もしオクターブを弾きたければ奏者みずからがオクターブを同時に打鍵しなければならない。
そしてピアノにはチェンバロにはないダンパーペダルがついている。
チェンバロにはダンパーを一斉に開放するような機能はない。
ピアノ誕生後の現代チェンバロにもダンパーペダルはついていない。
このことはそれぞれに要求されているものが違うことを物語っている。
そして、そのピアノに要求されているものがチェンバロにはなかった「ピアニスティック」なるものではないだろうか。

それはさておき、さきほどドイツ、フランス、イギリスでもそれぞれピアノの発明と言われるものがあったことを述べた。
それらはいずれも鍵盤の先にハンマーをくっつけて弦を叩くというものだが、驚くことにこれらはほぼ同時期に考案されている。
当時はもちろんインターネットもないし、国を越えて情報が行きかうということは現代とは比べほどにならないほど困難であったと思われる。
そのような時代に、ほぼ同じような発想で考案されたものがあちこちにあった・・・思えば不思議なことである。
これは、世界的に少なくともヨーロッパにおいて、このような発想を促すような何かが流行していたと考えるのが自然ではないだろうか。
いったい何が流行し、各地でピアノを考案させたのだろうか。

つづく






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Last updated  2010.07.19 07:50:57
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