向谷実
山手線で座っていたら、なんと目の前に向谷実さんが出現。向谷さんというと、私の中では、「♪そしてヴェールをあげて 彼と向谷実」という「心ほどいて」(ユーミン)のしょうもない自作の替え歌で時々思い出すので、それをお伝えしたい衝動に駆られたが、目が合った瞬間に、お互いキーボーディストとして感じ合うものがあり、千代の富士に引導を渡した貴乃花のように、一時代を築いたキーボーディストと、これから一時代を築こうとしているキーボーディストが瞳で会話し・・・と行きたいところだったが、一時代を築いた人と、その一時代をただ見てきた人との単なる一瞥に終始し、そそくさと渋谷駅で下車した向谷さんを見送りながら、しょうもない一連の妄想を、高くもない窓から空へ逃がした。