席を譲られた
山手線で、20歳くらいの若い男性に席を譲られてしまった。昔、高校生のとき、部活帰りに大きい荷物を持ってへとへとな感じで立っていたらサラリーマンに席を譲ってもらったことがあったのだが、その時以来2度目で、中年になってからは初。座っていたシニアマダムと立ちながら話をしていたという状況だったので、おそらく会話しにくそうだったということで気を利かせて譲ってくれたのだろうと善意解釈しているのだが、そうだとしても、服が爺くさかったのかなとか、いろいろ気を揉んでしまった。考えてみれば、黒柳徹子がザ・ベストテンを始めた歳と今私は同じなわけで、小学生の私からは当時の黒柳徹子は完全にお婆さんにしか見えなかったので、20歳くらいの人から見たら、充分私は席を譲る対象なのかもしれない。あるいは、その若者はちょうど文庫本を読んでいたので、会話が煩くて、その場を離れる意味で席を立ったのかな。まあ、理由はともかく、よぼよぼ老人にだけではなく、年上の人にすすんで席を譲ろうとする精神の若者がいるということだし、その若者の好意に対し「次降りますので大丈夫ですよ」と言ったら「あ、でも、一度立ってまた座るのも恥ずかしいので、どうぞ座ってください」と照れ臭そうにはにかむ笑顔もとっても好感溢れるものがあったので、この日本もまだまだ捨てたもんじゃないなと、爽やかな気分になった。 AC(公共広告機構)。