木と私
久しぶりに街路樹を歩いた。気づいたら部屋から帽子をかぶって歩き出していた。街路樹に着くと、そこは木と私だけの世界。シーンと静まり返った、そこには何も物言わぬ木と、私だけがあった。木々を数えて歩く。キラキラ日差し眩しい。すっかり芽吹きの季節から、新緑の季節になって、ずいぶん緑が濃くなった木々に、頼もしく思った。ふと交信してくる木があった。桜だ。結構大きな桜。また歩いていると、また交信してくる木がある。今度はミズキ。これも大木だ。冬の間、派手に剪定されてしまったけど、これらの木は剪定されずに残っている。わぁー!っと見上げて通った。帰りに差し掛かると、今度はサツキが「見て見て」と言わんばかりに綺麗に咲き誇っている。気分がすこぶる良くなった。いつもの散歩コース。いつもと同じなのに、いつもと全然違う。帰ってくると、下を向いていたのが、希望に満ち溢れている自分がいた。涙遠拭った。私はいつだって木に元気をもらう。街路樹よ、ありがとう!また来るから、よろしく頼むよ!