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小春☆日和

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カテゴリ:日記

先日,実家に帰った際に,海沿いの町,山元町に住む友人を訪ねてきました。

友人は,津波で家を流され,現在家族は避難所生活をしています。

数日前に,何か困っていること,必要なものはないかをメールで聞きました。
すると,ガソリンも並ばずに入れられるようになったし,特に足りないものはないとのこと。
だいぶモノも手に入りやすくなったようです。
逆にあれこれ持ってこられても困るのかもしれません。
なので,お菓子を持って行きました。

避難所生活とはいっても,友人は町の職員にあたる職業のため,1ヶ月前の地震発生以来,休みもほとんどなく,避難所のお世話をしているそうです。
家族のいる避難所とは別の場所で働いているため,夜はずっと車に寝泊まりしているとか。
先日,ようやくもらえたお休みを利用して,温泉に行って来たそうです。

「元気だよ。」

そう言う友人に,「元気でよかった。」としか言えませんでした。

友人は,自宅がどこにあったのか,すぐには分からなかったそうです。
それほど,何もかもが流され,何もかもが混在していたそうです。

ぜひ,津波の被害を見て行って欲しいと言われました。
そして,写真に収めて欲しいと。

写真を撮るのが好きな私ですが,津波に遭った場所を撮る気持ちにはなれませんでした。
なんだか,興味本位で撮っているような感じがしてしまうからです。

前に,その友人に私が撮った写真を見せたとき,写真を撮りたいって気持ちが伝わってくるって言われました。
その被写体のことをとても好きだって事が伝わってくると。

津波で被害を受けた景色は,どうしても好きにはなれないし,撮りたいという気持ちも湧きません。
でも,そう言ってくれた友人が,ぜひ私に撮って欲しいと言うのです。
多少の使命感のようなものを抱えながら,車を走らせました。

穏やかな春の陽気の中,何の気無しに,田んぼの中の道路を海に向かって走っていました。

ふと気が付くと,周囲の色が無くなっていました。
田んぼの中は,ゴミだらけでした。
日差しは暖かなのに,ここは,空気が止まっていて,寒々としていました。
道路だけがやけにキレイで,違和感がありました。

国道6号線から海の方は,避難指示区域となっており,立ち入りには許可が必要でした。
もちろん,許可はそこに自宅がある方に降りるものです。
この,避難指示区域では,がれきの撤去作業と行方不明者の捜索が行われているのです。
私みたいなのが押しかけて邪魔をするわけにはいきません。

そこで,国道6号線を南下してみました。

高台になっているところから,海の方を見ると,生活感のない荒野が広がっていました。
しかし,確かにそこには,人々の生活があったのです。

「海が近く見える」
新聞に載っていた,津波の被害を受けた人の言葉です。
その言葉がよく分かりました。
海とこちらを隔てていた,防砂林はまばらになり,建物は流され,遮るものがなくなっていたのです。
ここから海まで2キロほどありますが,打ち寄せる潮の音が聞こえてくるようでした。

国道6号線も,低いところは浸水し,その西側にもがれきやゴミが散乱していました。

がれきというか,1ヶ月前までは,私たちの生活の場であり,私たちを寒さや風雨から守ってくれていた,家なのです。

田んぼが多いこの地域は,まだ水が引かないところもありました。
福島県の新地町に入り,浸水した田んぼの近くまで行くことができました。

車を降りると,足元の砂は,明らかに浜の砂です。
田んぼなのに,磯臭さが漂っていました。
田んぼの水には,油が浮いていました。
田んぼの中に,船がひっくり返っていました。
崩れた家は,建築途中だったのかと思いましたが違いました。
瓦が全部崩れ落ちていたのでした。
電柱の真ん中ぐらいまで,ビニールや草が絡まっていました。

いくら広角でも,収めきれないほどの広さだったので,パノラマ撮影にしました。

遠くでは,クレーン車ががれきを拾っていました。
クレーン車がおもちゃのように小さく見えるほど,色のない空間は広いものでした。

県境に近いコンビニが営業していました。
ここも,浸水したところだということが,レジの脇に付いた,泥を拭き取った後から分かりました。 

その脇の田んぼでは,自衛隊による捜索も行われていました。
集められていたのは,泥の付いたかばんや辞典。
それに,卒業証書が入っているであろう筒。

この持ち主が,無事にこれらを手にすることができることを祈るばかりです。

 

見に行かなくてはならない。

そう思いながらも,燃料不足や忙しさを言い訳にして,足が向かなかったのが事実です。
現実を受け止めるだけの心のゆとりと覚悟が,なかっただけです。

私が見てきたところは,ほんの一部だけです。
だけど,見てきて良かったと思います。

ここで,命を落とした人がいる。
家族を,友人を,大切な人を失った人がいる。
家を,車を,大切な場所を,生活の全てを失った人がいる。
それが,現実。

地震から1ヶ月が経った今でも,がれきの撤去が進まないほど,広範囲に渡って被害があった。
毎日一生懸命探しても,見つからない人がいる。
それが,現実。

私にとっては,あらゆる事が毎日変化して,あっという間の1ヶ月。
でも,あれから時が止まったままの人がいる。
それが,現実。

 

昨日,今日と続いている,福島県浜通りを震源とする大規模な地震。
友人は,津波警報が出る度に,避難誘導をしなくてはならないのかな。
今夜はゆっくりと眠れますように。






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Last updated  April 12, 2011 10:43:55 PM
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