新城トレイル
新城トレイルは二度目の挑戦でした。前回は11キロの部に出たのですが、道中の記憶が殆ど残っていません。今回は32キロで部門が違うのですが一部コースは重複しています。あれっ、こんなにきついコースだったかなあなんて疑問に思いながらゴールを目指したのでした。前日受付を済ませ、豊川市内のビジネスホテルに泊まりました。 朝、自宅を出ても間に合うのですが、2時間ものドライブは辛いので、前泊して翌日に備えるようにしました。朝5時頃起き、ホテルでニューハレのテープをふくらはぎにテーピングし準備、30分ほど掛けて会場に移動、支度は出来ているので、車の中で時間を過ごしスタート時間を待ちました。スタート前に、13キロのエイドは5時間の関門だけど4時間以内に通過しないと完走できない。棚山のエイドも7時間を過ぎると時間内に完走できない。と説明があり、これはまさに私のためのアドバイスだと、しっかりと頭の中に入れました。スタートして暫くはロードを走ります。その部分は脹脛の怪我が怖くてゆっくりと走りました。やがてロードから登山道に入るところで大渋滞、その渋滞を見て、もっと速く走れば良かったと後悔しても後の祭りです。10分以上待ってようやく進みます。ここからは、ひたすら登り、途中、たまに渋滞になった個所もありましたが、助かったとゆっくりと休み、自分のペースで歩き続けました。話が逸れますがトレイルのレースに参加する方は、相当の練習を積んでいると思います。今回の私はぶっつけ本番になりました。過去に参加した大会においては、北丹沢は2度完走したものの、どちらも殆どビリ、3度目の去年の北丹沢は途中で関門に引っかかってしまいました。また、過去に箱根トレイル50キロに挑戦しましたがその時は途中で嘔吐してリタイヤです。それ以外、トレイル大会と言えば比較的短い部門に参加、それが無謀にもSTY(shizuoka to yamanashi 90キロ)に申込をして、そのSTYの練習も兼ねて今回のレースに挑みました。ところが、昨年後半から脚の具合が悪くなり、青梅マラソンや駿府マラソンにも参加できないほどに悪化、今回も無理かなあと思ったのですが、先週の藤枝マラソン5キロ走り何とかなるかも知れないと思いました。練習をしていない状況でも、歩いても何をしてもゴール出来なければSTYは無理だと覚悟して臨みました。さて、コースを歩いて進んで行くのですが、今回は岩場が多くて悩まされました。岩場は滑るということもあるのですが、固くて、結構、足裏にダメージが来るのです。私は序盤から足の裏に水泡が出来てしまいました。さて、関門の亀石の滝には4時間弱で辿りつきました。スタート前に完走できると言われた時間内です。この時には前後に殆ど選手がいなくなっており殆ど最後位に近かったと思います。スタート前の時間の目途を聴いているので、これなら、何とか、ゴールできるかなあと、諦めずに先を目指すことにしました。ところが、これから宇連山までが本当に辛い登りが続きます。このあたりで太腿が攣りそうになり、無理が出来なくなってしまいました。途中、先に行くランナーとすれ違うところがあり、下ってくる選手を見ながら速いと思いながら、足を休めることが出来てラッキーと思っていました。宇連山を過ぎ、棚山までは比較的楽でした。ロードの部分もありそこではゆっくりと走ることが出来ました。そこまでは残り時間がきついかなあと思っていたのですが、すこしでも走り時間を稼ぐことが出来て、時間内ゴールは何とかなるとも思いました。棚山の最初のエイドではハイドレーションに水を補給することが出来ました。その時には、ハイドレーションの水が無くなり、ペットボトル一本だけ残っている状態だったので助かりました。棚山の次のエイドで残り3時間になっていました。スタートで言われた目途の時間内です。後は登りもあるけれど下りが多いから大丈夫だろうと思います。残り8キロだと言われて、1時間で3キロ進めば良いとゴールまでの時間が計算できした。ところが・・・ここから、宇連山分岐までが辛い、辛い・・・体力がきつくなってきて、アップダウンが繰り返され、前後に人がいなくて精神的にも参ってしまい・・・宇連山分岐で残り5.5キロ、残り2時間。ゴールまでは700メートルの下り、何とかなる・・・?ところが、その下りが簡単じゃない、走れないどころか、腰が引けてしまい、歩くのもとても遅いペース。その上、岩場も多くて、脚にダメージが加わる、膝が笑うと言う感じが、身体全体に起こり力が入らない。更に下りが殆どのはずなのに何度か酷い登りがこれでもかと待っている。ゴールに間に合うことを信じて進んで行くのですが、身体は正直で思うように動かない、それでも、いつのまにか前後に選手が見えるようになり、励まされるように進むことはできるようになる。途中、係員の方が、後、何キロと教えてくれ、数字が少なくなり安心すると同時に、なかなか減らない数字にもどかしさも感じ、もう登りはないだろうと思っても中々終わらない登りに苛立たしさも感じ・・・何とも言えない葛藤に悩まされる。ようやく、係員から後は下り、残り2キロと言われた時に残り時間は20分ほどになっていて、時間内のゴールは無理だと分かりました。その下りも最初は岩場で走れません。間に合うかもしれないと信じて、下るのですがペースを上げることが出来ません。会場に近くなり、アナウンスの声が聞こえるあたりで、土になり、ようやくペースを上げることが出来ました。前の選手が走っています。私も追いかけて走っています。アナウンスで残り時間が殆ど無いと言っています。誰々さん、9時間何分でゴールですと言っています。その声が段々近づくのですが、まだ、すぐそこだと言う感じではありません。その土の下りでタイムオーバーになりました。自然に涙が出ました。悔しさの涙じゃないです。ここまで頑張れた喜びの涙です。最後は前の選手を追い越し、思い切りラストスパート、そして、ベースアップしてゴールに飛び込みました。(そのラストスパートする体力が残っていれば途中でもっと頑張れるはずだが・・・)時間は既に過ぎています。でも、ゴールできたこと、それが、本当に嬉しかったです。最後、後から来た選手の方とがっちりと握手をし、お礼を申し上げて、会場を後にしたのでした。