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カテゴリ:アディス(首都)にて
理数科隊員達が開催するサイエンスセミナーに参加した。
今日の開催場所は、同期のN司隊員の配属先である、アディス市内の高校だ。 N司隊員の言動は大抵常識を超えたところにあり、同期で一番の変わり者である。 仲間内で話してる間は楽しいヤツなんだけど、人前に出したときにはその非常識さにヒヤヒヤさせられる。 今日は彼の司会進行で、ところどころで失笑が漏れるような雰囲気で進んだが、内容は興味深いものだった。 ビニールなどを使って気球を使って飛ばしてみたり、果物で電池を作ってみたり。 身近なものを使って高校生に科学の楽しさを伝えようという趣旨なんだけど、30歳の僕も楽しめるものだった。 原爆をテーマにした発表もあった。 このテーマで学生がどのような反応を見せるか楽しみだったんだけど、結果として反応は薄かった。 関心がないのか、よく分かってないのか・・・ 一人の優秀そうな学生に聞いてみたところ、「軍事目的の核は必要ない」という答えが返ってきた。 北朝鮮の核実験があったとき、MITの学生数人と核について話をしたときは、「経済的・技術的に可能であればエチオピアも核兵器を持つべきだ」と言っていた。 「核兵器を持つと国際的に非難を浴びて援助も止まるよ」と振ると、「そうなんだけど・・・」といった感じでした。 エチオピア人の核に対する認識は、まだよく分からない。 ・・・話がずれた。 エチオピアの理数科隊員は全員、日本の高校に相当するPreparatry Schoolに配属されている。 エチオピアのすべての高校ではプラズマテレビが導入されていて、理科系の科目を中心に多くの科目がこのプラズマテレビによる衛星授業が行われている。 将来的には全科目がこのプラズマ授業になるそうだ。 40分の授業時間のうち、30分がネイティブが英語による衛星授業が行われ、最後の10分で各教室にいる教師が補足・要約をする。 教師不足の解消、教育の地域格差の解消、学生の英語力向上などが目的で、ある程度理に適ってはいる部分はあるけど、英語がさっぱり分からず、授業についていけない学生が多いのも現状である。 結果として、できる学生とそうでない学生の格差が広がっているようだ。 隊員が教科書外のことを教えようと思っても、このような授業形態では難しく、またそもそも、大学受験を前提とした高校では望まれてもいないようで、苦慮している隊員が多いようだ。 だからこそ、今日のようなサイエンスセミナーが始まった訳で、ITセミナーの参考にもなる良いイベントだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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